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予選上がりのダニエル太郎が世界4位を破る大金星!「フィットネスと精神力を鍛えてきた成果が出ている」<SMASH>

中村光佑

2023.03.03

昨シーズン四大大会で2度準優勝している世界4位のC・ルードをダニエル太郎がフルセットの末に破った。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「メキシコ・オープン」(2月27日~3月4日/メキシコ・アカプルコ/ハードコート/ATP500)は現地3月1日にシングルス2回戦が行なわれ、予選勝者で世界ランク125位のダニエル太郎が登場。同4位で第2シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を7-5、2-6、7-6(5)のフルセットで下し、殊勲の対トップ10勝利を手にした。

 予選2試合を勝ち抜き、アカプルコ大会出場3度目にしてついに本戦への切符をつかみとったダニエル。1回戦では1月の全豪オープンでグランドスラム初のベスト16入りを果たすなど勢いに乗るJ・J・ウルフ(アメリカ/44位)をストレートで撃破し、2回戦へ駒を進めていた。

 そんなダニエルを2回戦で待ち受けたのは、昨季だけで2度グランドスラム(全仏と全米オープン)の決勝に進出したトップ5プレーヤーのルード。全米準優勝以降は調子を落としているとはいえ、ダニエルにとっては厳しい対戦カードとなった。

 それでもこの日の試合は、今季でプロ13年目に突入した30歳が素晴らしい戦いを見せる。第1ゲームからいきなり3ゲームを連取されるも、第5ゲームではダニエルがタフなストローク戦を制してブレークバックに成功。その後は拮抗した展開が続くも、第11ゲームではバックハンドのウィナーを放ってブレークチャンスをつかんだダニエルが次のポイントのラリー戦でルードのドロップショットのミスを誘って値千金のブレークを奪い、第1セットを先取した。

 だが第2セットではセカンドサービスで思うようにポイントが取れず、第6ゲームで痛恨のブレークを献上。そのままセットオールに持ち込まれる。
 
 両者一歩も譲らないシーソーゲームとなったファイナルセット。スコア5-6でサービスゲームを迎えたダニエルは、ルードに2本のマッチポイントを握られるもここを何とか切り抜け、勝負の行方はタイブレークへ。ここでも一進一退の攻防が続いたが、6-5で迎えた最初のマッチポイントを取り切ったダニエルが約3時間の激闘を制した。

 今や世界のトップをひた走るルードに見事競り勝ったダニエル。試合後のインタビューでは2018年のBNPパリバ・オープン2回戦で現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破った経験を踏まえ、次のように喜びを語った。

「毎回このような勝利を挙げる度に、自分の手でその勝利をたぐり寄せることができていると感じる。初めてジョコビッチに勝ったときは、彼のプレーがあまり良くなかったように思えた。でも今回はキャスパー(ルード)を相手に、高いレベルでプレーできた。彼は(全豪以来の)実戦に戻ったばかりだから、本調子でないのは明らかだ。それでも僕は勝つ必要があった。とてもタフな戦いだったけど、素晴らしい雰囲気の中で勝ててうれしい」

 また今大会における自身の活躍についてダニエルは、日頃の努力が実を結んでいるとコメント。「ここでのプレーは本当に大好きだけど、暑いからコンディションには少々苦労している。でもこの湿度と肉体的な苦しみに対処するために、自分のフィットネスと精神力を鍛えてきた。その成果は間違いなく出ているし、このような選手に勝てたことでそれが証明されている」と締めくくった。

 なお、ダニエルは現地2日(日本時間3日午前)に開催された準々決勝で第8シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/22位)と対戦。残念ながら2-6、2-6で敗れベスト4進出は逃したものの、今大会で得た手応えは必ず次につながるはずだ。

文●中村光佑

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【動画】ダニエル太郎が世界4位のルードを破ったメキシコ・オープン激闘ハイライト