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海外テニス

「試合中に観客が話したり動いてもいい」人気テニス選手ティアフォーが観戦マナーで自論<SMASH>

中村光佑

2023.03.24

テニス独特の観戦マナーは状況に応じて変えてもいいとティアフォーは考えている。(C)Getty Images

テニス独特の観戦マナーは状況に応じて変えてもいいとティアフォーは考えている。(C)Getty Images

 明るいキャラクターで絶大な人気を誇る男子テニス世界ランク14位のフランシス・ティアフォー(アメリカ)。とにかく会場のファンに試合を楽しんでもらうことをモットーとしている彼は、「より多くの若者にテニスの魅力を知ってほしい」という想いから、「試合中に観客が話したり動いたりしてもいいのではないか」と主張している。

 テニスでは選手が100%プレーに集中できるよう、観客がチェンジエンドやセット終了時以外で席を立つことや、ラリー(打ち合い)中に声を発することは禁じられている。度々試合中には主審がそのルールを守らない人に向けて注意をする場面が多々見られるが、ティアフォーはわざわざスタジアムまで足を運んでくれる観客が動きを制限されていることに大きな違和感を抱いているようだ。

 現在行なわれているマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(3月22日~4月2日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)に第12シードで出場するティアフォーは、大会開幕前の記者会見で「会場のファンがより自由に行動できるようにしてほしい」と発言。その真意を以下のように説明した。
 
「僕は観客を魅了しながらプレーし続け、僕たちが人生と呼ぶこの最高の旅の一部を彼らが形成していると感じてもらえるよう、いつも笑顔でハードに戦っていくつもりだ。観客はそんな自分の姿をとても気に入ってくれていると思う。僕がそう感じてもらうことを押し付けているわけではない。それが僕のありのままの姿だ」

「僕は、人々が幸せであることが大好きだ。試合中にファンは自由に会場を出入りし、動き回り、話すことができるはずだ。バスケットボールの試合で、観客がずっと黙っている様子を想像してみてほしい。僕はそれ(観客への制限緩和)に賛成だし、一般の人々にも賛成してもらいたい。人々はショーを見るために苦労して稼いだお金を払っている。だから僕はありのままの自分を見せるだけだ。僕は自分の手で自分の試合(の雰囲気)がより良くなるようにしていく」

 だが、一方でティアフォーはウインブルドン(イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)のような長い歴史と伝統を誇る大会においては「現状のルールを尊重するべきだ」ともコメント。

「ウインブルドンには夜のアーサー・アッシュスタジアム(全米オープンのセンターコート)のような雰囲気はない」と説明。その一例として「みんな酔っ払っていて、クレイジーなムードが生まれる全米では、観客の動きを過度に制限する必要はない」と自身の見解を述べた。

 ティアフォーならではの興味深い考えだが、おそらく選手間では様々な意見が出てくることだろう。ぜひとも他のプレーヤーの見解も聞いてみたいものである。

文●中村光佑

【画像】ティアフォーのフォアハンド“しばき”リターン「30コマの超連続写真」

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