現地4月13日、女子テニスツアーを統括するWTA(女子テニス協会)は、約1年半にわたって停止していた中国でのツアー大会を再開すると発表した。この決定については現役選手やファンからも賛否両論が巻き起こっている。
2021年12月にダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(37歳)が、自身のSNSを通じて中国政府高官からの性的暴行を告発した騒動に伴い、WTAはこれまでに同国で開催してきたツアートーナメントを全て中止。
今年1月にも同連盟は「ペン・シューアイをめぐる一連の問題が解決すること」を大会再開の条件に掲げていた。だが当のペンは、昨年2月に母国で開かれた北京五輪を客席で観戦する様子が目撃されて以降、公の場には姿を見せておらず、現在も事態に表立った進展は見られない。
こうした状況を踏まえ、WTAはついに苦渋の決断に踏み切った。同連盟は現地4月13日に公式声明文をリリースし、「中国でのツアートーナメントを再開する」と発表。具体的な詳細については以下のように説明した。
「中国でのテニス競技が中断された16か月間、当初の要望を実現するために持続的に努力してきましたが、(ペンの騒動をめぐる)状況は一向に変わる気配がありません。我々は、これらの目標を完全に達成することはできないと判断し、最終的にその犠牲のために多大な代償を払うことになるのは、私たちが抱える選手と大会であるという結論に至りました。こうした理由から、WTAは今年の9月から中国でのトーナメントを再開する予定です」
この決定を歓迎している選手の一人が世界ランク5位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)だ。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、彼女は先日応じた英公共放送『BBC』のインタビューで「過去には中国で大規模な大会も開かれたし、私たちのツアーカレンダーの中でもアジアンスイングは、重要な時期だと思うから楽しみにしている。ATP(男子プロテニス協会)とITF(国際テニス連盟)はすでに中国開催の大会を再開しているから、女子テニスもその動きに続いているということね」と喜びのコメントを残したという。
なお現時点でWTAはまだ23年シーズン後半のツアースケジュールを更新していないが、各種海外メディアは「深センで開催されるWTAファイナル(シーズン最終戦)を含む7つの大会が今年後半に中国で再開される見込みだ」と報じている。ひとまず続報を待ちたいところだ。
文●中村光佑
【PHOTO】全豪オープン2023でガルシアはじめ熱戦を繰り広げた女子選手たちの厳選写真!
2021年12月にダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(37歳)が、自身のSNSを通じて中国政府高官からの性的暴行を告発した騒動に伴い、WTAはこれまでに同国で開催してきたツアートーナメントを全て中止。
今年1月にも同連盟は「ペン・シューアイをめぐる一連の問題が解決すること」を大会再開の条件に掲げていた。だが当のペンは、昨年2月に母国で開かれた北京五輪を客席で観戦する様子が目撃されて以降、公の場には姿を見せておらず、現在も事態に表立った進展は見られない。
こうした状況を踏まえ、WTAはついに苦渋の決断に踏み切った。同連盟は現地4月13日に公式声明文をリリースし、「中国でのツアートーナメントを再開する」と発表。具体的な詳細については以下のように説明した。
「中国でのテニス競技が中断された16か月間、当初の要望を実現するために持続的に努力してきましたが、(ペンの騒動をめぐる)状況は一向に変わる気配がありません。我々は、これらの目標を完全に達成することはできないと判断し、最終的にその犠牲のために多大な代償を払うことになるのは、私たちが抱える選手と大会であるという結論に至りました。こうした理由から、WTAは今年の9月から中国でのトーナメントを再開する予定です」
この決定を歓迎している選手の一人が世界ランク5位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)だ。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、彼女は先日応じた英公共放送『BBC』のインタビューで「過去には中国で大規模な大会も開かれたし、私たちのツアーカレンダーの中でもアジアンスイングは、重要な時期だと思うから楽しみにしている。ATP(男子プロテニス協会)とITF(国際テニス連盟)はすでに中国開催の大会を再開しているから、女子テニスもその動きに続いているということね」と喜びのコメントを残したという。
なお現時点でWTAはまだ23年シーズン後半のツアースケジュールを更新していないが、各種海外メディアは「深センで開催されるWTAファイナル(シーズン最終戦)を含む7つの大会が今年後半に中国で再開される見込みだ」と報じている。ひとまず続報を待ちたいところだ。
文●中村光佑
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