過去から現在まで、テニス界には数多くのグッドサーバーが存在した。彼らが超高速フラットを打てたり、鋭い回転をかけられたポイントは何か? このシリーズでは、そこから一般愛好家が“イイトコ取り”して憧れのサービスに近付く方法を、元ナショナルコーチの丸山薫氏が解説する。第8回はアンディ・マリーのスライスサービスに学ぶ!
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マリーのスライスサービスは現代テニスにおいて異彩を放ちます。今の選手はスライスと言っても少し縦回転も入ったトップスライスが多く、跳ねながら曲がっていくのが主流です。
しかしマリーの場合は、ボールを持ち上げずに斜めにこする純粋なスライスサービスで、低く滑りながら横に切れていきます。だから彼はデュースサイドからワイドに打ち、相手を外に追い出すのがとてもうまいのです。
全身がリラックスし、しなやかなフォームからラケットを加速させるマリーは、ボールをはたく能力も高く、フラットにもスピードがあります。そのフラットとのギャップも、彼のスライスサービスが生きる1つの要因です。
ではどうやって打てばいいのか? 横に切れていくスライスは、ボールの右側にラケット面を斜めに入れ(写真1コマ目)、真っすぐ前にスイングする(2コマ目)のがポイントです。つまり面を返さないということ。
フラットやスピンは前腕のプロネーション(うちわを扇ぐような動作)を使って面を右方向に返しますが、スライスはそれを抑えて、面を真っすぐにしたまま振り下ろしていきます(4~5コマ目)。そうするとボールは左に飛び出し(3コマ目)、キレとスピードがミックスしたスライスになります。
一般愛好家はスライスを打とうと思うと、外から内に巻き込むようにスイングしてしまいがち。いわゆる“リンゴの皮むき”のイメージで打つと、当たりがかすれすぎてスピードが出ません。そうなりやすい人は、ぜひマリーのフォームを参考にしてください。
【プロフィール】アンディ・マリー/Andy Murray(GBR)
1987年生まれ。グランドスラム通算3勝。しなやかなフォームから伸びとキレのあるサービスを放つ。かつて「ビッグ4」に数えられたオールラウンダーで、度重なる故障から復活を遂げ、トップ50まで再浮上している。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』
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マリーのスライスサービスは現代テニスにおいて異彩を放ちます。今の選手はスライスと言っても少し縦回転も入ったトップスライスが多く、跳ねながら曲がっていくのが主流です。
しかしマリーの場合は、ボールを持ち上げずに斜めにこする純粋なスライスサービスで、低く滑りながら横に切れていきます。だから彼はデュースサイドからワイドに打ち、相手を外に追い出すのがとてもうまいのです。
全身がリラックスし、しなやかなフォームからラケットを加速させるマリーは、ボールをはたく能力も高く、フラットにもスピードがあります。そのフラットとのギャップも、彼のスライスサービスが生きる1つの要因です。
ではどうやって打てばいいのか? 横に切れていくスライスは、ボールの右側にラケット面を斜めに入れ(写真1コマ目)、真っすぐ前にスイングする(2コマ目)のがポイントです。つまり面を返さないということ。
フラットやスピンは前腕のプロネーション(うちわを扇ぐような動作)を使って面を右方向に返しますが、スライスはそれを抑えて、面を真っすぐにしたまま振り下ろしていきます(4~5コマ目)。そうするとボールは左に飛び出し(3コマ目)、キレとスピードがミックスしたスライスになります。
一般愛好家はスライスを打とうと思うと、外から内に巻き込むようにスイングしてしまいがち。いわゆる“リンゴの皮むき”のイメージで打つと、当たりがかすれすぎてスピードが出ません。そうなりやすい人は、ぜひマリーのフォームを参考にしてください。
【プロフィール】アンディ・マリー/Andy Murray(GBR)
1987年生まれ。グランドスラム通算3勝。しなやかなフォームから伸びとキレのあるサービスを放つ。かつて「ビッグ4」に数えられたオールラウンダーで、度重なる故障から復活を遂げ、トップ50まで再浮上している。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』