過去から現在まで、テニス界には数多くのグッドサーバーが存在した。彼らが超高速フラットを打てたり、鋭い回転をかけられたポイントは何か? このシリーズでは、そこから一般愛好家が“イイトコ取り”して憧れのサービスに近付く方法を、元ナショナルコーチの丸山薫氏が解説する。第7回はデニス・シャポバロフのトップスライスサービスを分析!
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現役プレーヤーの中で、肩と胸の柔軟性が抜群にいいのがシャポバロフです。サービスの3大要素は「1/肩と胸の柔軟性」「2/タイミング」「3/バランス」ですが、そのうち一番影響力が大きいのが1であり、率直に言って持って生まれた才能でもあります。
シャポバロフはこの肩のおかげで、ツアー屈指のフラットサービスに加えて、スライスやスピンの回転系も自在に操れるのです。特に2ndであれほど速いスピンサービスを打てる選手は、世界のトップでも限られています。
さらに彼は左利きであり、発想が柔軟なのも魅力。セオリーにとらわれることなく、打ちたいサービスを自由奔放に打ってきます。こういうサーバーは相手としても崩しにくいものです。
紹介した写真はシャポバロフのトップスライスサービスですが、テイクバックでヒジがここまで背中側に張り出す選手は珍しく、肩甲骨の可動域の広さがうかがえます。世界最速と言われるMLBの投手、チャップマンと共通したものがあります。
また、2コマ目のチェストアップした姿勢は胸の柔らかさも示しており、これならば高速の回転系が打てるのも当然です。この柔軟性を一般の方が真似するのは無理ですが、ストレッチをしてできる範囲で柔らかくすれば、今より鋭い回転をかけられるようになります。
肩や胸の筋肉が柔軟だと、肩甲骨が下に落ちやすくなり、それが上に上がることでいいサービスになります。両腕を後方に引いて胸を張るストレッチや、両肩を上下させて肩甲骨を動かすストレッチをしてみましょう。サービスに役立つこと請け合いです。
【プロフィール】デニス・シャポバロフ/Denis Shapovalov(CAN)
1999年生まれ。サウスポーから繰り出すサービスは、高速フラットに加え、スライス、スピンなど回転系のキレ味も鋭い。自己最高ランキング10位。グランドスラムの最高成績は2021年ウインブルドンのベスト4。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】肩と胸の柔軟性を生かしたシャポバロフのトップスライスサービス『30コマの超分解写真』
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現役プレーヤーの中で、肩と胸の柔軟性が抜群にいいのがシャポバロフです。サービスの3大要素は「1/肩と胸の柔軟性」「2/タイミング」「3/バランス」ですが、そのうち一番影響力が大きいのが1であり、率直に言って持って生まれた才能でもあります。
シャポバロフはこの肩のおかげで、ツアー屈指のフラットサービスに加えて、スライスやスピンの回転系も自在に操れるのです。特に2ndであれほど速いスピンサービスを打てる選手は、世界のトップでも限られています。
さらに彼は左利きであり、発想が柔軟なのも魅力。セオリーにとらわれることなく、打ちたいサービスを自由奔放に打ってきます。こういうサーバーは相手としても崩しにくいものです。
紹介した写真はシャポバロフのトップスライスサービスですが、テイクバックでヒジがここまで背中側に張り出す選手は珍しく、肩甲骨の可動域の広さがうかがえます。世界最速と言われるMLBの投手、チャップマンと共通したものがあります。
また、2コマ目のチェストアップした姿勢は胸の柔らかさも示しており、これならば高速の回転系が打てるのも当然です。この柔軟性を一般の方が真似するのは無理ですが、ストレッチをしてできる範囲で柔らかくすれば、今より鋭い回転をかけられるようになります。
肩や胸の筋肉が柔軟だと、肩甲骨が下に落ちやすくなり、それが上に上がることでいいサービスになります。両腕を後方に引いて胸を張るストレッチや、両肩を上下させて肩甲骨を動かすストレッチをしてみましょう。サービスに役立つこと請け合いです。
【プロフィール】デニス・シャポバロフ/Denis Shapovalov(CAN)
1999年生まれ。サウスポーから繰り出すサービスは、高速フラットに加え、スライス、スピンなど回転系のキレ味も鋭い。自己最高ランキング10位。グランドスラムの最高成績は2021年ウインブルドンのベスト4。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】肩と胸の柔軟性を生かしたシャポバロフのトップスライスサービス『30コマの超分解写真』