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海外テニス

新しい未来へ……全豪優勝のウォズニアッキら、引退を表明した女子テニスプレーヤーたち

誉田優

2019.12.09

今年後半はリウマチの症状にも悩まされていたウォズニアッキは、来年の全豪を最後に引退する。(C)Getty Images

今年後半はリウマチの症状にも悩まされていたウォズニアッキは、来年の全豪を最後に引退する。(C)Getty Images

 2019年シーズンが終わり、多くの選手が来シーズンに向けて調整を始めた12月、3人の女子テニス選手がSNSで引退を発表した。

 そのひとり、デンマーク出身のキャロライン・ウォズニアッキは、かつて世界1位の座を手に入れた選手だ。今年は37位に後退したが、2018年シーズンには3位と、上位につけていた。
 
 ウォズニアッキは15歳の時にプロデビューすると、みるみる頭角を表し、18歳で初のツアー優勝。それから10年間、全豪オープン優勝を含めた数々の大会で好成績を納めた。20歳と28歳で、世界ランキング1位を記録したことでも知られている。

 そんな彼女の転機は、2017年に元NBA選手であるデビッド・リーと結婚したことだ。ウォズニアッキは、自身のTwitterを更新し、2020年1月の全豪オープンを最後に引退するとの意向を示した。「大切なお知らせ!」のメッセージと共に投稿された2枚の画像には、140字に収まらなかった、彼女の気持ちが綴られている。

 15歳でプロ転向したこと、30ものツアー優勝を経験したこと、オリンピックで旗手を務めたこと、そして2018年全豪オープンで優勝したこと……。全豪オープンにて、テニスコートで叶えたかった夢を全て実現できたと語り、デビッドと家庭を築くためには世界を飛び回ることが難しいことと、健康上の理由により、来年1月の全豪オープンを最後に引退することを伝えている。

 そして、ファンと友人、そしてスポンサー、コーチとして力を注いできた父をはじめとするチームの面々に感謝を述べ、結んでいる。
 
 他にも、スペインのカルラ・スアレス・ナバーロとドイツのアンナ-レナ・グローネフェルトもSNSで引退の意を示している。スアレス・ナバーロは2020年いっぱいでプロとしての活動を終えることをスペイン語と英語で記し、自身の声でメッセージを伝える動画も共に投稿している。
 
 グローネフェルトは、テニスコートでラケットを握っている、自身の幼少期の写真と共に、家庭を築く夢のために今期で引退するという意を述べている。

 SNSによって、報道機関の力に頼ることなく、選手自身が自分の言葉をそのまま、ファンに伝えることができるようになった。応援していた選手の引退を寂しく感じることもあるだろう。だが、選手を引退したからといっても、彼女たちはSNSにてすぐまた会えると伝えている。3人の今後の人生が幸せに満ち溢れているよう、願うばかりだ。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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