現在開催中の男子テニスツアー「イタリア国際」でシングルスベスト16に進出した世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、3回戦に勝利した直後の記者会見に出席。その中でセンターコートのコートコンディションについて言及し、「状態が良くない」と苦言を呈した。
今回のイタリア国際にディフェンディングチャンピオンとして参戦中のジョコビッチは、現地5月14日に実施された3回戦で元世界3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/現33位)と対戦。ファイナルセットまでもつれ込む接戦となるもジョコビッチが王者の意地を見せて6-3、4-6、6-1で勝利し、同大会17年連続となるベスト16入りを決めた。
センターコートで行なわれたこの試合でジョコビッチは“もう一人の敵”に苦しめられた。それこそがローマ大会特有の荒れたコートコンディションだ。というのもこの日のジョコビッチはディミトロフと激しい攻防を繰り広げる中でフォアハンドを打とうとした際にイレギュラーバウンドにアジャストできず、そのままバランスを崩してしまうシーンが多々見られたのだ。
キャリアを通じて数えきれないほどの試合数をこなしてきたジョコビッチでさえも、状態の悪いコートでプレーするのは非常に難しかったと語る。今回の会見で「正直なところ、ローマはコートの品質についてはあまり評判が良くない」と不快感を示した35歳のレジェンドは、「大会が始まるまでにセンターコートが使われていなかったことがコートコンディションの悪さにつながっているのではないか」とコメント。これについては次のように簡潔に説明した。
「事前にコートを使わない(慣らさない)まま、いきなり(試合で)クレーコートを使うと、こういうことが起こる。コートだって壊れてしまう。穴が開いている箇所もたくさん見られた。表面はでこぼこしていてバウンドも悪いし、土の量が多い。トレーニングセッションを行なった小さなコート5の方が、他の選手が事前に使っている分、プレーしやすいと感じた」
そう語りながらもジョコビッチは良いことも悪いことも全て受け入れたうえでタイトル防衛を目指したいとし、会見をこう締めくくった。
「(ローマ大会で)コートの管理をしている人たちのことは全員知っているし、僕は彼らを友人だと思っている。15年来の付き合いで、とても仲がいい。だからこのことで彼らを責めることはできない」
「今は、できることはあまりない。あちこちに開いている穴を埋めることぐらいしかできない。それが現実で、それを受け入れるしかないのだろう。日が経ち、大会が進むにつれて、コートが良くなっていくことを期待しているよ」
世界1位という立場を踏まえると、ジョコビッチはこの先のラウンドでもセンターコートでプレーすることが予想される。何とかコートコンディションに改善が見られることを願いたい。
文●中村光佑
【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド
今回のイタリア国際にディフェンディングチャンピオンとして参戦中のジョコビッチは、現地5月14日に実施された3回戦で元世界3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/現33位)と対戦。ファイナルセットまでもつれ込む接戦となるもジョコビッチが王者の意地を見せて6-3、4-6、6-1で勝利し、同大会17年連続となるベスト16入りを決めた。
センターコートで行なわれたこの試合でジョコビッチは“もう一人の敵”に苦しめられた。それこそがローマ大会特有の荒れたコートコンディションだ。というのもこの日のジョコビッチはディミトロフと激しい攻防を繰り広げる中でフォアハンドを打とうとした際にイレギュラーバウンドにアジャストできず、そのままバランスを崩してしまうシーンが多々見られたのだ。
キャリアを通じて数えきれないほどの試合数をこなしてきたジョコビッチでさえも、状態の悪いコートでプレーするのは非常に難しかったと語る。今回の会見で「正直なところ、ローマはコートの品質についてはあまり評判が良くない」と不快感を示した35歳のレジェンドは、「大会が始まるまでにセンターコートが使われていなかったことがコートコンディションの悪さにつながっているのではないか」とコメント。これについては次のように簡潔に説明した。
「事前にコートを使わない(慣らさない)まま、いきなり(試合で)クレーコートを使うと、こういうことが起こる。コートだって壊れてしまう。穴が開いている箇所もたくさん見られた。表面はでこぼこしていてバウンドも悪いし、土の量が多い。トレーニングセッションを行なった小さなコート5の方が、他の選手が事前に使っている分、プレーしやすいと感じた」
そう語りながらもジョコビッチは良いことも悪いことも全て受け入れたうえでタイトル防衛を目指したいとし、会見をこう締めくくった。
「(ローマ大会で)コートの管理をしている人たちのことは全員知っているし、僕は彼らを友人だと思っている。15年来の付き合いで、とても仲がいい。だからこのことで彼らを責めることはできない」
「今は、できることはあまりない。あちこちに開いている穴を埋めることぐらいしかできない。それが現実で、それを受け入れるしかないのだろう。日が経ち、大会が進むにつれて、コートが良くなっていくことを期待しているよ」
世界1位という立場を踏まえると、ジョコビッチはこの先のラウンドでもセンターコートでプレーすることが予想される。何とかコートコンディションに改善が見られることを願いたい。
文●中村光佑
【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド