25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情を綴る転戦記。
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ヨーロッパの練習環境についてリポートするシリーズ。前回はテニスアカデミーで細やかな指導を受けられない場合、個人やグループでプライベートコーチを雇う方法もあると述べました。今回はプライベートコーチについてより詳しく紹介しましょう。
ヨーロッパでも比較的物価の安い東欧に行けば、プライベートコーチを雇うこともより現実的になってきます。ヨーロッパの大型アカデミーでは毎月3,000ユーロ(約45万円)以上の金額がかかると書きましたが、東欧なら毎月3,000ユーロ以下でもプライベートコーチを雇うことが可能です。
そして、東欧はテニスのレベル、コーチのレベルでも世界トップクラスなのです。
大会を回っていて、本当に強くなりそうな選手はプライベートコーチが付きっきりで取り組んでいるケースが一番多いと感じます。その環境をいかに得るかが非常に重要です。
もちろん、それぞれの選手の特徴によって集団の中で過ごすアカデミーが向いている者もいれば、周りを気にしてしまう選手はプライベートコーチが向いていたりと様々です。プライベートコーチは相性の要素が大きく、アカデミーのようにコーチがたくさんいる環境なら、その中で好きなコーチを見つけられても、ゼロから探すとなると自分に合う人を見つけるのが大変です。
しかし、よりきめ細やかな指導を受けられるという点では、物価の安い東欧でプライベートコーチを雇うのは、個人的に勧めたい方法です。
日本で、海外のコーチをシェアする少人数グループや、プライベートコーチの情報を得るのはかなり困難です。現地でのコネクションが絶対に必要になってきます。
また実績のあるコーチと自分に合うコーチというのは全然違うもので、コーチとの相性は実際にやってみないとわかりません。
外国人コーチはコミュニケーション能力に長けていて、初めてヨーロッパに来た選手からすれば全てが素晴らしく見えやすいので、最初に会ったコーチに飛びついてしまうことも多いですが、コーチは星の数ほどいます。実績やコーチの体験談に驚かされがちですが、ヨーロッパでは世界トップ10選手を指導したことがあるというコーチがどこにでもいるものです。
日本でそんな実績のあるコーチに出会えることはほとんどないですが、ヨーロッパなら簡単に巡り合うことができるのです。日本とヨーロッパではコーチの層の厚さ、コーチングレベルが大きく違うと言っていいと思います。
まずは知り合えたコーチの所に行ってみること。そしてすぐに決断せず、そこから人間関係を広げて、色々な拠点やコーチを試しながら、自分に一番合う選択を見つけていくと良いでしょう。
文●市川誠一郎
〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。
【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのテニスアカデミーでの日常風景
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ヨーロッパの練習環境についてリポートするシリーズ。前回はテニスアカデミーで細やかな指導を受けられない場合、個人やグループでプライベートコーチを雇う方法もあると述べました。今回はプライベートコーチについてより詳しく紹介しましょう。
ヨーロッパでも比較的物価の安い東欧に行けば、プライベートコーチを雇うこともより現実的になってきます。ヨーロッパの大型アカデミーでは毎月3,000ユーロ(約45万円)以上の金額がかかると書きましたが、東欧なら毎月3,000ユーロ以下でもプライベートコーチを雇うことが可能です。
そして、東欧はテニスのレベル、コーチのレベルでも世界トップクラスなのです。
大会を回っていて、本当に強くなりそうな選手はプライベートコーチが付きっきりで取り組んでいるケースが一番多いと感じます。その環境をいかに得るかが非常に重要です。
もちろん、それぞれの選手の特徴によって集団の中で過ごすアカデミーが向いている者もいれば、周りを気にしてしまう選手はプライベートコーチが向いていたりと様々です。プライベートコーチは相性の要素が大きく、アカデミーのようにコーチがたくさんいる環境なら、その中で好きなコーチを見つけられても、ゼロから探すとなると自分に合う人を見つけるのが大変です。
しかし、よりきめ細やかな指導を受けられるという点では、物価の安い東欧でプライベートコーチを雇うのは、個人的に勧めたい方法です。
日本で、海外のコーチをシェアする少人数グループや、プライベートコーチの情報を得るのはかなり困難です。現地でのコネクションが絶対に必要になってきます。
また実績のあるコーチと自分に合うコーチというのは全然違うもので、コーチとの相性は実際にやってみないとわかりません。
外国人コーチはコミュニケーション能力に長けていて、初めてヨーロッパに来た選手からすれば全てが素晴らしく見えやすいので、最初に会ったコーチに飛びついてしまうことも多いですが、コーチは星の数ほどいます。実績やコーチの体験談に驚かされがちですが、ヨーロッパでは世界トップ10選手を指導したことがあるというコーチがどこにでもいるものです。
日本でそんな実績のあるコーチに出会えることはほとんどないですが、ヨーロッパなら簡単に巡り合うことができるのです。日本とヨーロッパではコーチの層の厚さ、コーチングレベルが大きく違うと言っていいと思います。
まずは知り合えたコーチの所に行ってみること。そしてすぐに決断せず、そこから人間関係を広げて、色々な拠点やコーチを試しながら、自分に一番合う選択を見つけていくと良いでしょう。
文●市川誠一郎
〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。
【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのテニスアカデミーでの日常風景