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海外テニス

全仏オープンテニス準優勝のルードが明かすラケットを壊さない理由「プレーがうまくいかないのは自分のせいだから」<SMASH>

中村光佑

2023.05.26

ナダルをロールモデルとするルードは、ラケットを1度も壊したことがない理由を語った。(C)Getty Images

ナダルをロールモデルとするルードは、ラケットを1度も壊したことがない理由を語った。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク4位のキャスパー・ルード(ノルウェー)がドイツのテニス専門メディア『Tennis Magazin』のインタビューに登場。テニス界において数々の輝かしい功績を残してきた元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現15位/36歳)のスポーツマンシップをお手本にしていると明かし、「自分はラケットを壊したことはない」と語った。

 テニスは試合が決するまで長時間コートに立ち続けなければならず、それゆえに思うようなプレーができない時間帯も発生しやすい。そのなかで選手がイライラを発散するため、ラケット破壊に及んでしまうケースが頻繁に見られる。

 だがそんななかで幼い頃から「道具を粗末に扱うのが間違っている」ことを学んできたナダルが、実際に約20年以上にもわたるプロ生活で1度もラケットを破壊したことがないというのは有名な話だ。

 決してラケットを壊さないことを含め、ナダルのコート上での振る舞いを見習いたいと語るルードだが、本音ではプレーがうまくいかずイライラしている時に「どうしてもラケットを投げたい時はある」という。それでも試合中はかねてから尊敬しているナダルをお手本として道具を粗末にしないよう何とか自分に言い聞かせていると述べ、以下のように続けた。

「まだ僕はラケットを壊したことがない。そういう意味でもラファ(ナダル)をお手本にしてきた。自分のキャリアでラケットを1度も壊さないというのは、小さな目標の1つだ。ラファのように、コートの中でうまく立ち回ることができればいいが、ラケットを常に手に持っていて、自分や対戦相手に腹を立てていると、ラケットを投げたり壊したりしがちになる。でもそういうことをやっていては良いエネルギーは出ない。プレーがうまくいかないのはラケットのせいではなく、自分のせいだ」
 
 ちなみにルードとナダルは公式戦で過去2度対戦しており、そのうちの1度は昨年の全仏オープン決勝だった。この時は“赤土の王者”を相手にルードが力を振り絞るも、終始いいところを見せられないままストレートで完敗。これによりナダルは前人未到の全仏14度目の優勝を成し遂げるとともに、当時四大大会最多となる22度目の優勝を手にした。

 苦い経験を味わった初めてのグランドスラム決勝を振り返りつつ、ルードはとりわけ全仏のコートで驚異的な強さを発揮してきたナダルをこう称賛している。

「僕は彼のプレーに対して何もできなかった。ただそれだけだ。もちろん、僕は彼に対抗し、試合を少しでもエキサイティングにすることを夢見ていた。しかし、ラファは22度目のグランドスラム優勝を、彼のお気に入りのコートであるフィリップ・シャトリエ(全仏のセンターコート)で戦って手にした。そこで彼に勝つのは最も難しいことだ。チャンスを得るためには、人生で最高の試合をする必要があると思っていた。決勝に臨む前は、いつか彼が全仏の決勝で負ける日が来るだろうと思っていたが、ラファには信じられないほどの競争力がある」

 既報の通り今年はナダルが深刻なケガを理由に思い出のローランギャロスのコートに立つことができなくなり、両者の再戦が実現する可能性は消滅してしまった。数日後に開幕する全仏オープン(5月28日~6月11日)では、ルードがナダルの分まで素晴らしいプレーを見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

【連続写真】安定感抜群の回転軸が生み出す、C・ルードの「必殺フォアハンド」!

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