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フォアに回り込んで逆クロスに叩くコツは? 田沼諒太が最大の武器について解説【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.06.17

フォアに回り込んだら左肩を入れてコースを隠す(3コマ目)。そして逆クロス方向にしっかり体重を乗せながらヒットするのが(5コマ目)、田沼選手が意識しているポイントだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は日本ランキング23位の田沼諒太選手の2回目。武器とする回り込みフォアの逆クロスについて語ってくれた。

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 僕にとって攻撃の軸となるのはやはりフォアハンドで、回り込みフォアの逆クロスは特に武器にしているショットです。僕は結構トップスピンをかける方なので、一発でエースを取ることもあれば、回転で跳ねさせて相手を外に追い出すこともあり、フォアハンドは幅広く使っています。

 この写真は攻めにいったショットですね。ベースラインの内側に左足を踏み込んで打っています(写真4コマ目)。攻撃を選択する目安は、自分のポジションがベースライン内に入れているかどうかです。

 入れた時は、回転量を減らして当たりを厚くし、エースを狙うことが多くなります。ただしこの写真のケースでは、打点が低くなったため、一発勝負というよりも、少しスピンをかけて相手を追い込みにいっていますね。
 
 逆クロスを狙って叩く時のポイントは、準備を早くすることです。フォアで打つと決めたら素早く回り込み(1~2コマ目)、左肩を深く入れて、どちらにでも打てる形を作ります(3コマ目)。こうやって相手にコースを読ませないことがまず大切です。

 そして左足を踏み込んだら、ボールを打ちたい方向、ここでは逆クロスにしっかりと体重を乗せてヒットします(5コマ目)。最後の8コマ目を見ると、打った後に右足が出て、身体が前に行なっていますが、これはそれだけ体重を乗せられたということです。

 ボールの方向性は、腕よりも体重を乗せる方向で出すのが、精度を上げるポイントです。

【プロフィール】田沼諒太/たぬまりょうた
1995年9月22日、東京都生まれ。179cm、66kg、右利き。ジュニア時代は全国タイトルや四大大会Jr出場とは縁がなかったが、相生学院高を卒業後プロ転向し、世界を回って力を付けた選手。2018、19年にITFツアーで2勝を挙げ、全日本選手権ベスト8。イカイ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年2月号より再編集

【連続写真】田沼諒太の回り込みフォアハンドの逆クロス『30コマの超分解写真』