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海外テニス

前回ウインブルドンで4強の“ママさん選手”が切実アピール「トーナメントが託児所を提供してくれると助かる」<SMASH>

中村光佑

2023.07.02

2児を出産しながらもツアー大会に参戦して結果を残しているタチアナ・マリアが現状の問題点を語った。(C)Getty Images

2児を出産しながらもツアー大会に参戦して結果を残しているタチアナ・マリアが現状の問題点を語った。(C)Getty Images

 2度の出産を経てからツアーに復帰して以降、安定した活躍を見せている女子テニス世界ランク58位のタチアナ・マリア(ドイツ/35歳)が、母国の高級自動車メーカー「ポルシェ」が運営するニュースメディア『Porsche Newsroom』のインタビューに登場。自身を含め母親になってからもプロとして活動を続ける女子選手へのサポートの重要性を訴えた。

 当時34歳で出場した昨年7月のウインブルドンで四大大会初のベスト4入りを果たしたマリアは、同大会が開幕する約15カ月前の21年4月に第2子を出産。現在も日々育児に奔走しながらプレーを続けている。そういった事実を踏まえれば母親とテニス選手を両立することがいかに大変なのかを改めて実感させられる。

 それにもかかわらず最近の女子ツアーでは、出産後もプレーを続ける選手が増加傾向にある。グランドスラム23勝を誇るセレナ・ウィリアムズ(アメリカ/元1位)や四大大会で2度の優勝を経験しているビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/元1位/現19位)、直近では今年4月に約1年ぶりの戦線復帰を遂げたエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/元3位/現75位)がその例として挙げられる。

 マリアは自分と同じように子どもの面倒を見ながら日々過酷なツアーを戦うプレーヤーが増えている状況について「前向きなことだからいいと思う」とコメント。その一方で「そういった選手への支援はまだ不十分だと感じる」と前置きし、次のように自身の考えを主張した。
 

「すべての大規模なトーナメントが託児所を提供してくれると助かる。そのような類のサポートは四大大会とポルシェ・テニス・グランプリ(WTA500)のような一部のトーナメントでのみ提供されている。他のトーナメントもこれに倣う形で支援が進めば、母親とプレーヤーを掛け持つ選手にとって非常にプラスになると思う」

 その後「あなたはツアーでプレーを続ける母親の一人として他の女子選手のロールモデルになれていると思うか?」と問われたマリアは、育児に奮闘する中で活躍できていることに手応えをつかんでいるのか、自信ありげに「ええ、そう思うわ」と回答。

「私の例を踏まえても現役中に子どもを産んでからツアーに戻ることは可能だと理解されるでしょう。私の場合は育休から2回復帰することができた。1回目は多くの人を驚かせた第1子の誕生後(14年4月)、そして2回目は第2子が生まれた後(21年8月)だった。出産してから復帰するのは十分に可能だと思う」と付け加えた。

 間もなく開幕を迎えるウインブルドン(7月3日~16日)に向けては「昨年は準決勝に進んだから人々は同じことが起こると期待していると思う。それは私も同じよ」と淡々と意気込みを語ったマリア。ぜひとも今年もテニスの聖地で躍動する姿を見せてほしい。

文●中村光佑

【画像】ウインブルドン2022で活躍したタチアナ・マリアら女子選手の厳選写真
 

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