WTAは年間を通して最も活躍した選手に、最優秀選手賞を、アウォードとして発表しているが、それに先立ち、最優秀トーナメント賞、スポーツマンシップ賞、最優秀コーチ賞を発表した。

　2014年から始まったWTA年間トーナメント賞は、WTA登録選手により、スタッフや組織、ファン、そしてテニスとアスリートに貢献した4つのトーナメントが選ばれる。結果は以下の通り。

・WTAプレミア・マンダトリー部門：BNPパリバ・オープン
・WTAプレミア5部門：ドバイデューティーフリー選手権
・WTAプレミア部門：ポルシェ・グランプリ
・WTAインターナショナル部門：：メキシコ・オープン

　スポーツマンシップ賞を受賞したのは、チェコのペトラ・クビトワ。プレーマナーと、フェアプレーの精神、ほかの選手へ敬意を払い、コート内のみでなく外でも素晴らしいプレースタイルを貫くプロアスリートであることを称えるこの賞は、クビトワが7年連続、累計8回選出されている。

「この賞を8回いただいたことはとても誇らしく、私にとって非常に大きな意味があります。共に戦うテニス選手たちからスポーツマンシップとフェアプレーを認められたことは、常に対戦相手に敬意を払っている私にとって名誉なことです。私がテニスを愛しているのと同じくらい、テニスを愛する次の世代の選手たちの激励になることを望みます」とクビトバは語る。
  　カナダのガブリエラ・ダブロウスキーは、プレーヤーサービス賞を初めて獲得した。この賞は仲間の選手をサポートし、WTAに貢献した選手を表彰するもの。

「友人やツアーで共に戦う選手たちからこのように選出されたことはとても光栄です。WTAプレーヤーズカウンシルの一員となったことは信じられません。評議員となったことにより、私の考えを広く伝えられるようになりました。私は、全ての選手が等しい機会を与えられるよう働きかけていきたいと考えています」とコメントを寄せた。

　今年で2回目となるWTAコーチオブザイヤーに選出されたのは、アシュリー・バーティーのコーチであるクレイグ・ティザー。2019年、バーティーをマイアミオープン優勝に導き、年間1位に押し上げた。ティザーはまた、WTAコーチプログラムにて講義や、パネルディスカッション、メディアインタビューに応えることで女子テニス界の発展を促した。これらの功績を称えて、賞が贈られた。

　2019年の女子テニス界を盛り上げた選手とコーチの活躍に、来年も期待が寄せられる。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter：yu__honda／Instagram：yu__honda