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愛弟子アルカラスのウインブルドン初優勝にフェレーロ氏が称賛!「また彼は大きなことをやってくれる」と期待<SMASH>

中村光佑

2023.07.18

先月の全仏OPでの教訓を生かしたアルカラス(左)は、ウインブルドンで雪辱を果たし優勝。コーチのフェレーロ氏(右)が喜びを語った。(C)Getty Images

 テニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)は大会最終日の現地7月16日に男子シングルス決勝が行なわれ、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク1位)が、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)に1-6、7-6(6)、6-1、3-6、6-4のフルセットで勝利。同大会初優勝を飾るとともに、昨年9月の全米オープン以来となるグランドスラム2度目の優勝を果たした。

 先にリードを許しながらも縦横無尽にコートを走り続けたアルカラスは、第1セットを失ってから気持ちをしっかりと切り替え、驚異のコートカバーリング力と多彩なプレーで観客を魅了。途中約27分にも及ぶ超ロングゲームでブレークをもぎ取るなど、メンタルの強さでもジョコビッチを上回ったアルカラスが、今大会最長となる4時間42分の激闘を制し、悲願のウインブルドン初優勝を成し遂げた。

 2019年からアルカラスのコーチを務める男子元世界1位のホアン・カルロス・フェレーロ氏(スペイン/43歳)も、テニスの聖地で栄えある優勝を手にした愛弟子を称賛せずにはいられなかった。決勝戦終了後に応じたスペインの大手ラジオ局『COPE』のインタビューで同氏は、ずっとそばで成長を見守ってきたアルカラスが、先月の全仏オープン準決勝でジョコビッチに敗れたことを教訓にして、栄冠をつかみ取ったことを大いに喜んだ。
 
「カルロスとは彼が15歳の時に出会ったが、その時に私は彼がとても良いプレーをしているのを見た。それでもプレーを改善するためにやるべきことはたくさんあった。我々はコート内外で努力を積み重ねてきたが、パリ(全仏)でジョコビッチと対戦した準決勝の敗戦から学んだことがあったのは素晴らしいことだ」

 そして最後にフェレーロ氏は、抜群のテニスセンスと強靭な精神力を兼ね備えるアルカラスに絶大な信頼を寄せていることを明かすと同時に、今後に向けての期待の言葉をこう口にした。

「カルロスと一緒なら、(テニスにおける)全てのことが可能になると思っている。我々は彼に大きな期待を抱いているし、また彼が大きなことをやってくれるのではないかと思える理由がある。彼は私たちのために素晴らしいことをしてくれている。私が感じていることを言葉で表現するのは難しいけどね」

 ファン待望の頂上決戦を制し、「幼い頃から夢見てきた」ウインブルドンでの優勝を手にしたアルカラス。この先もどこまで進化を続けるのか非常に楽しみである。

文●中村光佑

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