海外テニス

シティオープンで環境活動家が妨害行為。「ビジネスは気候災害を引き起こす」特大ボール&唱和で試合が一時停止<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.08.06

昨年の全仏OPや今年のウインブルドンなど、最近のテニス界では同様のトラブルが頻発している。(C)Getty images

 現在開催中の男子テニスツアー「ムバダラ・シティDCオープン」(7月31日~8月6日/アメリカ・ワシントンD.C./ハードコート/ATP500)で、シングルス3回戦の試合中に環境活動家が抗議デモを実施。試合が遅延してしまうトラブルが発生した。

 現地時間8月4日、第1シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/世界ランク9位)が第15シードのアンディ・マリー(イギリス/同44位)を6-7(2)、6-3、6-4のフルセットで下した試合の途中、観客席の団体が突如として横断幕を掲げて唱和。さらに特大のテニスボールを数個コート上に投げ入れ、試合は一時中断した。

 海外メディア『FOXスポーツ』によると、「化石燃料への資金提供を止めろ。シティは今すぐやめろ」と唱え、「ビジネスは気候災害を引き起こす」と綴られた横断幕を掲げたこの団体は、『クライメート・ディファイアンス(気候変動への挑戦)』を名乗り、自分たちを「化石燃料に抵抗するために直接行動を起こす、新たな若者主導のグループ」と説明しているようだ。
 
 さらに、「10万年前以来の記録的な暑さを目の当たりにしている今、私たちにはもう従来の方法で抗議している時間はない。シティのようなグループ、つまり化石燃料のプロジェクトに3000億ドルの資金を提供し続けるような人々を信用することはできない」として、今回の妨害行為を行なうに至った経緯を語った。

 マンハッタンに本社を置く世界的な金融機関のシティグループが大会スポンサーを務める今大会は、サウジアラビアのファンドであるムバダラ・インベストメント・カンパニーと今年6月に合併し、ムバダラ・シティDCオープンに名称を変更。

 デモ団体はシティグループとムバダラが化石燃料関連のプロジェクトに投資しながらも、実態のない環境保護意識をアピールする「グリーンウォッシング」を行なっていると批判している。

構成●スマッシュ編集部
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【動画】特大ボールに横断幕。シティ・オープンでの環境活動家の抗議デモの様子