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バックハンドリターンを深く打つコツを田沼諒太が伝授。腕の振りより身体でぶつかれ!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.08.12

左足をボールの後ろにセットし(3コマ目)、身体ごとぶつかっていくイメージで打つ。田沼諒太選手がバックのリターンを深く打つために意識しているポイントだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は日本ランキング20位の田沼諒太選手の3回目。バックハンドリターンを深く打つ方法を教えてくれた。

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 サービスリターンは結構得意にしている方です。特にセカンドサービスの場合はこちらから攻撃して、相手にプレッシャーをかけていくショットだと思っています。

 この写真は相手が左利きの選手で、少しワイドに来たスライス系のファーストサービスを、両手バックで返した場面です。ファーストに対しては、スピードがあるのでとりあえずラケット面の真ん中にしっかり当てて、深く返すことをいつも心掛けています。

 そのためには、ボールの後ろにきちんと左足をセットすることがポイントです(写真3コマ目)。そうすると、自分の体重を少し前にかけて、相手のサービスの力を利用しながら打ち返すことができます。腕で振るというより、身体をぶつけていくイメージですね。
 
 左足をセットしたら、テイクバックはあまりしません。身体の横、ボールの真後ろにラケット面を置いて(4コマ目)、コンパクトに合わせることに集中するのが、正確に真ん中に当てるためのコツです。

 あと、よりパワーを出すためには、左足を決めた後に右足を少しでいいから前に踏み込みたいですね。写真を見ると、極端に踏み込んではいませんが、少し右足が前に出ています(6コマ目)。

 これだけでも効果は十分。僕はボールに向かってリズムを取るような感じで、右足を出すようにしています。

【プロフィール】田沼諒太/たぬまりょうた
1995年9月22日、東京都生まれ。179cm、66kg、右利き。ジュニア時代は全国タイトルや四大大会Jr出場とは縁がなかったが、相生学院高を卒業後プロ転向し、世界を回って力を付けた選手。2018、19年にITFツアーで2勝を挙げ、全日本選手権ベスト8。イカイ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年1月号より再編集

【連続写真】深さを重視した田沼諒太のバックハンドリターン『30コマの超分解写真』