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「腕は自然についてくる」。今井慎太郎の強烈フォアハンドの秘訣とは?【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.11.28

足を使ってボールに入り、ボディターンに続いて、腕が出てくる。運動連鎖でパワーを生むのが今井慎太郎のフォアハンドだ。写真は2020年全日本選手権(THE DIGEST写真部)

足を使ってボールに入り、ボディターンに続いて、腕が出てくる。運動連鎖でパワーを生むのが今井慎太郎のフォアハンドだ。写真は2020年全日本選手権(THE DIGEST写真部)

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、日本選手屈指の強力なフォアハンドを持つ今井慎太郎選手が登場。そのフォアのポイントを教えてもらった。

「子どもの頃からフォアをベースにしたプレーを意識してきました」と語る今井選手。ただ、フォア単体で押してきたわけではなく、意外にバックがカギになってもいた。

「プロになるまでバックはスライス中心でした。それがうまくチェンジオブペースにもなって、余計にフォアの強打が生きたというのもあります」

 テニスは総合力のスポーツ。一見、弱点に見えるショットも、全体の中で使い方を工夫すれば、武器をサポートする役割を担えるというわけだ。そういう発想は一般プレーヤーも学んだ方がいいだろう。
 
 では本題であるフォアハンドの強打の秘訣を聞いてみよう。

「僕がフォアを打つ時に重視しているのは、足と身体全体を使うことです。手先でどうこうしようと思っても、いいスイングはできません。足をしっかり動かしてボールに入る、そして足を決めて、蹴って、ボディターンがあって、腕が出てくる……そういう運動連鎖が大切だと思います」

 鋭いスイングをするには、力頼みではいけない。効率的な身体の使い方が必要だと今井選手は力説する。

「ラケットを持っている以上、腕にもある程度は力を入れますが、全体の流れがスムーズにつながれば、腕は自然についてきます。逆に力んで1つ歯車が狂うと、全部が狂ってしまう。身体全体でボールに力を伝えることが一番のポイントです」

 いかがだろう。力任せに打ってボールが伸びない人は多かろう。身体の各部を順々に動かす「運動連鎖」のスイングを、ぜひ意識してみてほしい。

【プロフィール】今井慎太郎/いまいしんたろう
1993年9月7日神奈川県生まれ。179㎝、75㎏、右利き。早稲田大学出身。2015年にインカレを制し、卒業後プロ転向。一撃必殺のフォアハンドの持ち主で、ITF大会で単8勝、複18勝を挙げている。18、19年全日本選手権男子ダブルス王者。ATPランキング自己最高290位(20年1月6日付)。イカイ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2019年6月号より再編集

【PHOTO】今井慎太郎のフォアハンドの強打、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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