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「誰にも当ててない!」「黙りなさい!」女子テニスで観客席へのボール打ち込みから選手同士が大口論! 英紙は“加藤失格騒動”を引き合いに…

THE DIGEST編集部

2023.08.14

試合後に握手を交わすサッカリ(左)とコリンズ(右)。コリンズは何かしら言葉を投げかけているが…。(C)Getty Images

 突発的なイライラはやはり抑えるのが難しいのか。女子テニスでふたたび、ちょっとした騒動が起こった。

 カナダのモントリオールで行なわれているWTA1000トーナメント「ナショナル・バンク・オープン」。そのシングルス2回戦で対峙したのが、マリア・サッカリ(ギリシャ)とダニエル・コリンズ(米国)だ。ハプニングが起こったのは第2セットの第4ゲーム、サッカリのサービスゲームだった。
【動画】観客席へのボール打ち込みから大口論へ! カナダで起こったハプニングの一部始終

 ファーストサーブがフォルトと判定されたサッカリは、リターンされてきた球を激しく地面に打ちつけた。これが強くバウンドして観客席へ飛び込んでしまう。サッカリはすぐさま手を挙げて謝罪の意を示し、セカンドサーブの姿勢に入るが、待ったをかけたのが相手のコリンズだった。

 審判に対して「あれを見ました? 何が起こったか見ましたか?」と抗議。暗にペナルティの対象となる振る舞いではないかと指摘したのだ。被せるようにすぐさまサッカリが「わざとじゃないし、誰にも当ててないでしょ。地面に落としただけよ」と反論すると、コリンズは「黙って! 黙りなさい!」と口調を強めた。さらにサッカリが「いったい何が問題なのよ。誰にも当ててないってば!」と畳みかけても、コリンズは「あなたはボールをスタンドに打ち込んだのよ、マリア。誰かに当たるところだったのよ!」と引き下がらない。

 サッカリがふたたび「だから誰にも当ててないから…」と発言する堂々巡りとなり、ここで主審がマイクで「落ち着いて、落ち着いて」と促してプレーが再開された。なんらお咎めはなしという結論で、試合はコリンズが6-4、6-2のストレート勝ち。試合後、両選手はしっかり握手を交わしている。

 米専門誌『Racquet Magazine』の編集者でテニスジャーナリストのベン・ローゼンバーグ氏が公式X(旧ツイッター)上で、動画とともに今回のやりとりを紹介。「サッカリとコリンズの緊迫した場面だったけど、個人的にはコリンズに同意するよ。審判は無謀にボールを打ち込んだり、ラケットを叩きつけたりする行為にもっと厳格に対応すべきだ」と主張した。そのうえで、「起こった出来事に対して見て見ぬフリは良くない」と付け加えている。

 この意見に対して、コメント欄では賛同する声があれば、「コリンズは審判じゃないでしょ!」「黙れという物言いはどうなの?」「あれくらいで厳罰はないでしょ」など否定的なコメントも多く、議論百出となっている。
 
 英紙『Daily Mail』もこのトピックを取り上げ、6月の全仏オープン・女子ダブルスで物議を醸した事件を引き合いに出した。加藤未唯の打ち込んだボールがボールガールの頭部を直撃し、対戦ペアの執拗な抗議もあって、加藤ペアが大会側から失格処分を言い渡された一大騒動だ。

 同紙は「ローランギャロスでの事件から2か月で起きた新たな事件だ。大会側は『もし誰かに怪我を負わせたなら、その行為には責任がある。たとえ本気でなかったとしてもです』と説明し、カトウは失格処分となって泣き崩れたのである。あれは大いに波紋を広げる出来事だった」と振り返っている。

 先のウインブルドン男子決勝では、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がラケットを投げつけて破壊し、罰金を科せられた。ハンガリーの大会では、女子選手が土の上のボール痕を足で踏み消した行為が問題視され、話題を集めた。テニスプレーヤーの癇癪が招くハプニングなど、最近はどうにもコート上でのいざこざが頻発している印象だ。

構成●THE DIGEST編集部


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