海外テニス

名将ムラトグル氏が世界4位ルネとの師弟関係を再び解消「全ての物語は終わりを迎えなければならない」<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.09.03

北米ハードコートシーズンで1勝も挙げることができなかったルネ(左)は、ムラトグル氏(右)と師弟関係を再び解消した。(C)Getty Images

 現地9月2日、著名テニスコーチのパトリック・ムラトグル氏(フランス)は、世界ランク4位のホルガー・ルネ(デンマーク)との師弟関係を再び解消すると、自身の公式X(旧ツイッター)を通じて発表した。

 昨年10月にムラトグル氏をチームに迎え入れたルネは、いきなり11月のパリ大会(ATP1000)の決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク2位)を破り、悲願のマスターズ初優勝を飾った。そしてルネは、コーチ契約期間が終了する今年4月まで共にツアーを回っていた。

 その後も指導力のすごさを実感したルネは、ムラトグル氏とのコーチ契約を延長。クレーシーズンでは、ミュンヘン(ATP250)で優勝を飾り、モンテカルロとローマ(ともにマスターズ1000)では準優勝を果たした。

 しかし、北米ハードコートシーズンに入ってからは、トロントとシンシナティのマスターズ2大会で初戦敗退。さらに、現在開催中の全米オープンでは、ロベルト・カルバレスバエナ(スペイン/同63位)との1回戦に3-6、6-4、3-6、2-6で敗れている。

 試合後の会見でルネは、「僕にできることはただ一つ、この敗戦から学ぶことだ。チームや周りのサポートを大切にすること、そしてコートに立ったときに良いパフォーマンスを発揮できるように正しい努力をすることだ」とコメントした。
 
 一方、この敗戦後にルネとの契約解消となったムラトグル氏は、自身の公式Xを通じてルネに向けた称賛と期待の言葉を次のように綴っている。

「ホルガーは素晴らしい選手!去年のパリで優勝し、クレーシーズンは、モンテカルロとローマで決勝を戦い、そしてミュンヘンでは優勝した。世界ランキングも30位から4位まで上がった。しかし残念ながら、全ての物語は終わりを迎えなければならない。私はあなたとともに最高の喜びを味わったし、これからもずっとあなたのサポーターであり続ける。ムラトグル・アカデミーは、あなたを応援している。幸運を祈る」

 なお、ルネは自身の公式Xで、今月28日から開幕する「チャイナ・オープン」(9月28日~10月4日/中国・北京/ハードコート/ATP500)に出場を表明。「チャイナ・オープンはジュニア・マスターズで優勝したことがあって、良い思い出だよ。今年で20周年記念を迎えるこの大会でプレーし、ファンに会えることを楽しみにしている」と綴っている。本来の力を発揮できずに全米を終えてしまっただけに、その悔しさをシーズン後半戦にぶつけてほしい。

構成●スマッシュ編集部

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