いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「ウインブルドン」は現地7月12日に男子シングルス準々決勝を実施。テニス界のニューヒーローとして注目を集めている20歳のホルガー・ルネ(デンマーク/世界ランク6位)は、同年齢で世界王者に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン/同1位)との新世代対決に挑むも6-7(3)、4-6、4-6のストレートで敗れ、大会初のベスト4進出を逃した。
ジュニア時代から互いをよく知るルネとアルカラス。2003年生まれの2人は誕生日も1週間違い(ルネは4月29日、アルカラスは5月5日)で、良きライバルとして切磋琢磨し続けてきた。両者はツアーで2度対戦しており、1勝1敗と互角。3度目の顔合わせとなったこの日の試合は序盤から緊迫の攻防が繰り広げられた。
第1セットは互いに一歩も譲らずタイブレークに突入。ここまで得意のバックハンドを軸に安定したプレーを見せてきたルネだったが、3-3の場面でダブルフォールトを犯し、痛恨のミニブレークを献上。そのまま追いつくことができず1セットダウンとなる。
第2セットも第8ゲームまでは両者共にサービスキープを継続。ルネはことごとく力強いショットを打ち込んでくるアルカラスからなかなかブレークを奪えずにいると、終盤の第9ゲームで自身のサービスを破られ、セットカウント0-2と絶体絶命のピンチに。
迎えた第3セットでも第4ゲームから3ゲームを連取されるなど、終始攻撃的なテニスを貫くアルカラスに押され続けたルネは試合を通して1度もブレークを果たせず、2時間21分で準々決勝敗退となった。
ファン大注目の新世代対決に敗れたルネは試合後の会見で「観客をがっかりさせないように最後までベストは尽くした」と振り返りつつも、「今日は少しがっかりしている」とコメント。続けて試合前から体調不良に見舞われていたと明かし、万全の状態でプレーできなかったことが敗戦につながったと語った。
「朝起きた時から気分が悪くて、(試合前の)練習でもその状態が続いていた。これまでのラウンドのようなコンディションではなかった。今日の試合はベストを尽くしながら、チャンスを見出せるかどうか確かめる必要があった。もっといいプレーができたと思う。相手にアドバンテージを取られてしまったポイントが多すぎた」
それでも改めて「僕は最後まで戦い抜いた」と強調したルネは「彼はいいプレーをした」と勝者のアルカラスを素直に称賛。今季はウインブルドンを含め昨年まで1度も勝てていなかった芝コートの大会で計7勝を挙げたことを前向きに捉え、今回のウインブルドンで得られた教訓を次に生かしていきたいと締めくくった。
「前に進むしかない。僕にとっては今日の結果もポジティブなものだ。どんな状況であっても、自分のプレーに100%コミットしなければならないことを学んだよ」
おそらくルネが言う体調不良は疲れだけではなく、プレッシャーや緊張からくる部分もあったのではないだろうか。今回の敗戦を糧に今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】ルネ、アルカラスらウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真を公開!
ジュニア時代から互いをよく知るルネとアルカラス。2003年生まれの2人は誕生日も1週間違い(ルネは4月29日、アルカラスは5月5日)で、良きライバルとして切磋琢磨し続けてきた。両者はツアーで2度対戦しており、1勝1敗と互角。3度目の顔合わせとなったこの日の試合は序盤から緊迫の攻防が繰り広げられた。
第1セットは互いに一歩も譲らずタイブレークに突入。ここまで得意のバックハンドを軸に安定したプレーを見せてきたルネだったが、3-3の場面でダブルフォールトを犯し、痛恨のミニブレークを献上。そのまま追いつくことができず1セットダウンとなる。
第2セットも第8ゲームまでは両者共にサービスキープを継続。ルネはことごとく力強いショットを打ち込んでくるアルカラスからなかなかブレークを奪えずにいると、終盤の第9ゲームで自身のサービスを破られ、セットカウント0-2と絶体絶命のピンチに。
迎えた第3セットでも第4ゲームから3ゲームを連取されるなど、終始攻撃的なテニスを貫くアルカラスに押され続けたルネは試合を通して1度もブレークを果たせず、2時間21分で準々決勝敗退となった。
ファン大注目の新世代対決に敗れたルネは試合後の会見で「観客をがっかりさせないように最後までベストは尽くした」と振り返りつつも、「今日は少しがっかりしている」とコメント。続けて試合前から体調不良に見舞われていたと明かし、万全の状態でプレーできなかったことが敗戦につながったと語った。
「朝起きた時から気分が悪くて、(試合前の)練習でもその状態が続いていた。これまでのラウンドのようなコンディションではなかった。今日の試合はベストを尽くしながら、チャンスを見出せるかどうか確かめる必要があった。もっといいプレーができたと思う。相手にアドバンテージを取られてしまったポイントが多すぎた」
それでも改めて「僕は最後まで戦い抜いた」と強調したルネは「彼はいいプレーをした」と勝者のアルカラスを素直に称賛。今季はウインブルドンを含め昨年まで1度も勝てていなかった芝コートの大会で計7勝を挙げたことを前向きに捉え、今回のウインブルドンで得られた教訓を次に生かしていきたいと締めくくった。
「前に進むしかない。僕にとっては今日の結果もポジティブなものだ。どんな状況であっても、自分のプレーに100%コミットしなければならないことを学んだよ」
おそらくルネが言う体調不良は疲れだけではなく、プレッシャーや緊張からくる部分もあったのではないだろうか。今回の敗戦を糧に今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】ルネ、アルカラスらウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真を公開!