連日のごとく謝罪に追われているが、事はそう簡単に終わりそうにない。

　中国・杭州で開催されているアジア競技大会。問題行動が起こったのは現地９月25日、男子テニスのシングルス２回戦だった。
【動画】韓国のクォン・スンウが激高！ ラケットを破壊し続け、相手選手を無視して握手を拒否！

　世界ランキング112位のクォン・スンウ（韓国）と同636位のカシディット・サムレジ（タイ）が対戦し、前者が１－２で敗北。納得がいかないクォンは怒りに身を任せ、ラケットを何度も地面に叩きつけ、さらに自身のベンチにも２回打ちつけて完全に破壊した。そして握手を求めてきたサムレジを無視し、なんと握手を拒否。審判への挨拶もせず、スタンドの大ブーイングを浴びながら足早にコートを去った。

　瞬く間にその様子は世界に打電され、大バッシングに発展。慌てたクォンは翌朝になって、まずはサムレジがいるタイ代表チームの宿舎を訪れて直接謝罪すると、午後には直筆の謝罪文を公開した。「私の無礼な振る舞いで気分を害されたサムレジにあらためて心からお詫び申し上げます。心から反省しています。国を代表する選手として、太極旗（国旗）の重みを深く考え、責任ある選手になれるよう自らを反省し、今後はすべての行動に気をつけます」などと記し、猛省を示した。

　27日には男子ダブルスに登場して、日本ペアを破って準決勝に駒を進めた。ここでも試合後の取材エリアで「興奮していたとはいえ、不必要な行動だった。（シングルスは）単純に力量で劣ったために敗れたわけで、多くのファンを軽率な行動によって失望させてしまった。心から謝罪します」とふたたび反省のコメント。真摯に頭を下げつづけたが…。
  　韓国のSNSではクォンに対する批判が止まず、やはり世界に向けて醜態を晒した事実を糾弾する声が後を絶たない。こうした風潮を受けて、今大会の代表チームを管轄する韓国体育協会は「クォン・スンウの非紳士的な振る舞いはきわめて遺憾であり、大会終了後、総合的に検証したうえであらためて適切な措置を取ると約束する。国民のみなさまには深くお詫び申し上げる」との声明をリリースした。

　加えて、韓国政府で文化・スポーツ部門を担当する高官も取材に応じ、「太極旗の下で戦う国際大会にあって、代表選手は責任感を持って臨むべきだ。（クォンの振る舞いは）大変遺憾であり、二度と起こってはならない行動である」と厳しく断じた。

　来年にはパリ五輪もあるが、はたしてクォンにはどんな裁定が下されるのだろうか。なお28日に行なわれた男子ダブルス準決勝で、クォンのペアはインドのペアに１－２で敗れ去った。ひとつの銅メダルを手にして大会を後にしている。

構成●THE DIGEST編集部

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