男子テニス元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現242位)の叔父で元コーチのトニ・ナダル氏がスペインのニュースメディア『Mallorca Bulletin』のインタビューに登場。そのなかで時代と共に選手たちのチーム編成に変化が見られることについて触れ、「次世代の選手たちのことを心配している」と懸念を口にした。
近年は男女を問わず練習で直接指導を行なうコーチの他に、メンタルコーチや栄養士、データ分析スタッフなど、充実のラインナップでチームを構成する選手が増えつつある。一例を挙げると、女子のイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)にはメンタルヘルスをサポートする心理学者が、男子のカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)には栄養士が帯同している。
だが甥のナダルをほぼ付きっきりで指導して、世界のトップへと導いた実績を持つトニ氏は、近年の若手選手のチーム編成について「メンバーが増えていて、規模が大きくなりすぎている」との見方を示している。これについてトニ氏は、ナダルのコーチを務めていた時の経験を踏まえ、以下のように自身の考えを述べた。
「我々は“異常な時代”を迎えている。ナダル、ジョコビッチ(セルビア/現1位)、フェデラー(スイス/元1位/昨年引退)が圧倒的な強さを誇ってきた期間の長さは、特定の3人の選手を合計してやっと四大大会優勝回数が35~40勝になる。他のどの世代よりもはるかに長い。ジョン・マッケンロー(アメリカ/元1位/64歳)の時代があり、その後はアンドレ・アガシ(アメリカ/元1位/53歳)の時代があった。そして今は新しい世代のプレーヤーが現れている。
しかし、私は今の若い選手たちの事を心配している。というのも彼らのチーム構成は規模が非常に大きくなっているからだ。データ分析を行なうスタッフや栄養士、メンタルコーチを付けるプレーヤーが増えている。ラファ(ナダル)にはメンタルコーチや栄養士はいなかった。つまり以前のラファのチームは彼と私だけだった。でも今は情報が多すぎる上に、肯定的なレビュー(評価)ばかりで混乱してしまいかねない。それはいつもうまくいくわけではない。むしろ負けたときのフラストレーションはさらに大きくなるものだ」
おそらくトニ氏は、選手に伝えたいことを明確にするために、“チーム編成はできるだけシンプルにした方が良い”と提唱したいのかもしれない。こればかりは各プレーヤーで意見が分かれそうだが、常にベストなチームの在り方を追求する必要があるのは確かだろう。
文●中村光佑
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近年は男女を問わず練習で直接指導を行なうコーチの他に、メンタルコーチや栄養士、データ分析スタッフなど、充実のラインナップでチームを構成する選手が増えつつある。一例を挙げると、女子のイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)にはメンタルヘルスをサポートする心理学者が、男子のカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)には栄養士が帯同している。
だが甥のナダルをほぼ付きっきりで指導して、世界のトップへと導いた実績を持つトニ氏は、近年の若手選手のチーム編成について「メンバーが増えていて、規模が大きくなりすぎている」との見方を示している。これについてトニ氏は、ナダルのコーチを務めていた時の経験を踏まえ、以下のように自身の考えを述べた。
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しかし、私は今の若い選手たちの事を心配している。というのも彼らのチーム構成は規模が非常に大きくなっているからだ。データ分析を行なうスタッフや栄養士、メンタルコーチを付けるプレーヤーが増えている。ラファ(ナダル)にはメンタルコーチや栄養士はいなかった。つまり以前のラファのチームは彼と私だけだった。でも今は情報が多すぎる上に、肯定的なレビュー(評価)ばかりで混乱してしまいかねない。それはいつもうまくいくわけではない。むしろ負けたときのフラストレーションはさらに大きくなるものだ」
おそらくトニ氏は、選手に伝えたいことを明確にするために、“チーム編成はできるだけシンプルにした方が良い”と提唱したいのかもしれない。こればかりは各プレーヤーで意見が分かれそうだが、常にベストなチームの在り方を追求する必要があるのは確かだろう。
文●中村光佑
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