現在開催中の女子テニスツアー「中国オープン」（９月30日～10月８日／中国・北京／WTA1000）に第２シードで出場しているイガ・シフィオンテク（ポーランド／世界ランク２位）が、現地10月３日に行なわれた２回戦後の記者会見で、自身のSNSでフォロワーたちに読書を勧める「Read with Iga」という取り組みについて語った。

「時間がある時には本を読んでいる」と語るほどの“読書好き”として知られるシフィオンテク。２回戦でバルバラ・グラチェワ（フランス／47位）に６－４、６―１のストレートで勝利した直後の会見では、現代の生活に対する所感を述べつつ、読書好きが高じて始めた「Read with Iga」の内容をこう説明した。

「今の時代はできることがたくさんあるが故に、人々が本を読むことを忘れているように感じていたんです。多くの子どもたちは、常にソーシャルメディアや YouTube、あるいはインターネットばかりに時間を費やしています。私はただ、彼らに異なる視点を持つこと、他の時間の過ごし方もあるということを伝えたい。その上で私は若い人たちに、もう少し本を読むよう説得するような活動をしています」
  　そして最後にシフィオンテクは読書が自身にもたらしてきた効果をこう説いた。

「読書をすることによって自分の人生のバランスが良くなったように感じるし、私にとっては自由時間を過ごすのに最適な方法なんです。私はいつも自分の心を保ったまま別の世界を感じるのが好き。読書は私にとって旅行のようなものだと思っています」

　なお、シフィオンテクの公式インスタグラム（@iga.swiatek）をのぞくと、「Read with Iga」のコーナーには以下のようなメッセージが綴られている。

「2023年の私の読書チャレンジに参加してください！ 去年は20冊読んだし、もっと読めたかもしれないけど、『風と共に去りぬ』のような分厚い本が好きだし、ちょっと忙しいの…。私の趣味を皆さんと分かち合いたいし、読書を奨励したい。だから今年は一緒に12冊以上読みましょう！」

　22歳にしてすでに四大大会４勝を含む15度のツアー優勝を誇るシフィオンテク。読書で得た“穏やかな心”は持ち味の冷静なプレーを引き出してくれているのかもしれない。彼女の懸命な取り組みにより、読書好きの若者が増えることを願いたい。

文●中村光佑

【画像】シフィオンテクが公式インスタグラムで設けている「Read with Iga」のコーナー

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