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【女子テニス国別対抗戦】“杉山ジャパン”の初日は1勝1敗のイーブン!戦いはチーム力が問われる最終日へ<SMASH>

内田暁

2023.11.11

日本のエース日比野菜緒(左)は余裕の1勝を挙げたが、シングルス2の本玉真唯(右)はコロンビアのエースに惜敗。戦いはトータル1勝1敗となって11日の最終日へ。写真:滝川敏之

 11月10日に、女子テニス国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ・プレーオフ」日本対コロンビア戦が東京・有明テニスの森で開幕した。

 初日はシングルス2試合が行なわれ、4年ぶりに代表復帰した日比野菜緒が勝利。シングルス2の本玉真唯は、コロンビアのエース、カミラ・オソリオに4-6、4-6で競り負け、日本は一勝一敗で折り返した。

「素晴らしい1勝を取れたので、明日に良い形で繋がったなという風に思います」

 五分の星で折り返した初日を、杉山愛監督は、そう振り返った。両国のシングルス1が勝利したのは、言わば想定内。その中で、最終的な勝利に向け好材料と手ごたえを得た様子だ。

 チームの先鋒をつとめた本玉は、いきなりのブレークで幸先の良いスタートを切った。

 オーダーが決まった時、「団体戦が好きなので、初戦でも第2試合でも大丈夫」と気丈に語っていた彼女は、自身の言葉を証明するかのように、力強いプレーを披露。一打ごとに小さくも鋭く漏れる気迫の声が、高い集中力を伺わせた。

 ただサービスゲームが、どうしてもキープできない。オソリオは、「いつもより下がり、あまり攻撃的なリターンを打たないようにした」と明かす。

 有明のセンターコートは、誰もが口をそろえる高速サーフェス。クレー巧者のオソリオにとっては戦いにくいコートだろうが、コロンビアのエースは長いラリーに持ち込み、豊富な球種で本玉をジリジリと自分のテリトリーに引きずり込んだ。競りながらも肝心の一本を取らせてもらえぬ展開に、本玉は「相手に嫌なところをつかれてしまった」と唇をかんだ。
 
 それでも本玉の健闘は、杉山監督曰く「日比野選手に、良い形でエネルギーを渡してくれた」。日比野にとっては重圧のかかる状況ではあるが、「良い調整ができていたので、自信をもって挑めた」とエースは淡々と振り返る。深いボールで押し込み、最後はネットプレーも交えて無理なく決める理詰めのテニスで、価値ある一勝を日本にもたらした。

 二日目にして最終日の11日には、カードを入れ替えシングルスの2試合が行なわれる。ここでどちらかが2勝を挙げれば、その時点で決着。通算2勝2敗となれば、ダブルスに命運が委ねられる。

 初日で得られた情報や流れを、いかに二日目に生かせるか? チームの力が試される時だ。

取材・文●内田暁

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