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ケガで戦線離脱中のキリオスが「引退前に四大大会で優勝したい」と決意表明。照準はウインブルドン!<SMASH>

中村光佑

2023.11.12

昨年のウインブルドン決勝でジョコビッチ(左)に逆転負けし、タイトルを逃したキリオス(右)。「やり残したこと」として聖地での優勝を熱望する。(C)Getty Images

 現在ツアーを離れている男子テニス元世界ランク13位のニック・キリオス(オーストラリア)が豪メディア『Nine.com』のインタビューに登場。その中で「引退前に成し遂げたいこと」の1つとしてグランドスラム(四大大会)での初優勝を目標に掲げた。

 類まれなるポテンシャルでファンを魅了してきたキリオスが、グランドスラム初制覇に大きく近づいたのは昨年7月のウインブルドンだった。ステファノス・チチパス(ギリシャ/現6位)らを破り準決勝に進むと、対戦予定だったラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現244位)が試合前に棄権したことで決勝へと進出。しかし決勝では大会3連覇中だったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)に6-4、3-6、4-6、6-7(3)の逆転で敗れ、悲願達成にはあと一歩届かなかった。

 その後、同年10月の「ジャパン・オープン」準々決勝を棄権して以降は度重なるケガに悩まされ、今季プレーしたのは6月の「ボス・オープン」1回戦のみのキリオス。相次ぐ大会欠場により先月中旬には世界ランキングも消滅してしまった。

 キリオスと言えば近い将来での現役引退を度々示唆してきたが、ウインブルドン決勝での敗戦の悔しさが大きいのか、「引退前にグランドスラムで優勝したい」と目標を明かす。「自分のテニスは、多くの人を魅了できる上に、テニスを特別な形で楽しむ力を与えられる。自分には四大大会を制すのに必要な素質があることもわかっている」と自信も見せる28歳はこう続けた。
 
「今一番望んでいるのは、シングルスで四大大会の頂点に立ったと言えるようになることだ。その目標は本当にやる気を与えてくれる。ウインブルドンでそれを達成するまでにあと2セットだったことを考えたら、余計にそれを成し遂げたいと思ってしまう。テニスを全く知らない人でも存在だけは知っている、世界で一番重要な大会で優勝することを目指して全力を尽くしていきたい」

 キリオスは「テニスの世界でまだやり残したことがあるような気がする。その中で自分にとって最も重要なのはロンドンでチャンピオンになることだ」と、ウインブルドン制覇の野望を口にする。そして、昨年終盤から苦しめられているヒザのケガの状態に言及しつつ、改めて今後への意気込みを語った。

「1日1日頑張らないといけない。まだ時間はある。予定より早く復帰しようとして痛みを感じたから、リハビリをしっかり行なうことに集中し、相談していなかった専門家からも様々な意見をもらった。手術を受けてからは大きく改善したが、身体はまだいくらかアンバランスだから、忍耐強くこのプロセスを踏みながら自分を信じなければならない。自分の身体に完全な自信を持てるところまで到達する必要がある」

 キリオスのセンスあふれるプレーをまた見たいと思っているファンも多いことだろう。1日も早い復帰を願うばかりだ。

文●中村光佑

【動画】2022ウインブルドン決勝、キリオス対ジョコビッチ戦のハイライト

【PHOTO】有明に世界レベルのテニスがやって来た! 2022楽天ジャパン・オープンでのキリオスらのプレー

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