先週行なわれた女子テニス国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップby ゲインブリッジ ファイナルズ」(11月7日~12日/スペイン・セビリア/インドアハードコート)の準決勝で敗れたチェコ代表のマルケタ・ボンドルソワ(世界7位)が、試合後の記者会見に登場。自身が出場した先々週の女子ツアー最終戦「WTAファイナルズ」(メキシコ・カンクン/ハードコート)のコートコンディションに多くの出場選手から不満の声が上がったことについて言及し、「苦しみを味わった」と批判の言葉を口にした。
既報の通り今年のWTAファイナルズは終始大きな混乱に見舞われた。開幕直前の段階でコートは未完成、何とか完成したコートも整備が行き届いておらず、出場選手の間で怒りの声が続出。極めつけは悪天候による順延にも見舞われ、選手たちはシーズンを締めくくる最高の舞台とは到底思えない最悪のコンディションでプレーするという過酷な状況を強いられた。ちなみにグループリーグで敗退したボンドルソワは、大会期間中の会見で「組織の人間は私たちがあのようなコートでプレーすることにほぼ関心がないのだと思う」とWTA(女子テニス協会)を糾弾していた。
現状WTAファイナルズは、2019~28年の10年間にわたって中国・深圳が開催権を確保しているが、21年大会は、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にメキシコ・グアダラハラで実施。さらに昨年大会もダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(中国/37歳)の性的暴行告発に端を発する騒動により、深圳から米テキサス州フォートワースに開催地を変更した。
WTAは今年4月に「(21年から停止していた)中国国内でのツアー大会を9月から再開する」と発表したにもかかわらず、今年の最終戦は開幕2カ月前の段階で日程を含めた開催概要は公表されず。会場がカンクンに正式に決定したのは9月初旬だったため、そこから急ピッチで諸々の準備を進めなければならなかったというわけだ。
現地12日に行なわれたBJK杯準決勝「チェコ対カナダ」のシングルス第2試合でレイラ・フェルナンデス(世界36位)に2-6、6-2、3-6のフルセットで敗れたボンドルソワは、試合後の会見で物議を醸したカンクンの最終戦に言及。BJK杯開催地のセビリアの良好なコンディションと比較した上で次のように“恨み節”をこぼした。
「カンクンからセビリアに来ると、ちょっと違う感じがする。セビリアの会場はコートもいいし、風もなく雨も降らないから、気分が良くなる(笑)。ここからカンクンへ行くよりも向こうからこっちへ来る方がずっといい。私たち(最終戦の出場選手たち)は、プレーする前から、その話題についてよく話していたし、毎日連絡を取っていたほどだった。
結果的には選手全員が(大会やWTAに対して)非常に失望した結果になったと思う。あれはテニスではなかったし、どの試合でも多くの苦しみを味わった。それに私たちが披露したテニスは、観客にとっても私たちにとっても良くなかったと思う。カンクンに到着して、状態がひどいこと、さらには雨がひどいところを見て、がっかりした」
ボンドルソワの言葉からは、よほどひどいコンディションであったことがよくわかる。来年のファイナルズではそのようなことが起こらないよう計画的に準備を進めていってほしい。
文●中村光佑
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既報の通り今年のWTAファイナルズは終始大きな混乱に見舞われた。開幕直前の段階でコートは未完成、何とか完成したコートも整備が行き届いておらず、出場選手の間で怒りの声が続出。極めつけは悪天候による順延にも見舞われ、選手たちはシーズンを締めくくる最高の舞台とは到底思えない最悪のコンディションでプレーするという過酷な状況を強いられた。ちなみにグループリーグで敗退したボンドルソワは、大会期間中の会見で「組織の人間は私たちがあのようなコートでプレーすることにほぼ関心がないのだと思う」とWTA(女子テニス協会)を糾弾していた。
現状WTAファイナルズは、2019~28年の10年間にわたって中国・深圳が開催権を確保しているが、21年大会は、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にメキシコ・グアダラハラで実施。さらに昨年大会もダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(中国/37歳)の性的暴行告発に端を発する騒動により、深圳から米テキサス州フォートワースに開催地を変更した。
WTAは今年4月に「(21年から停止していた)中国国内でのツアー大会を9月から再開する」と発表したにもかかわらず、今年の最終戦は開幕2カ月前の段階で日程を含めた開催概要は公表されず。会場がカンクンに正式に決定したのは9月初旬だったため、そこから急ピッチで諸々の準備を進めなければならなかったというわけだ。
現地12日に行なわれたBJK杯準決勝「チェコ対カナダ」のシングルス第2試合でレイラ・フェルナンデス(世界36位)に2-6、6-2、3-6のフルセットで敗れたボンドルソワは、試合後の会見で物議を醸したカンクンの最終戦に言及。BJK杯開催地のセビリアの良好なコンディションと比較した上で次のように“恨み節”をこぼした。
「カンクンからセビリアに来ると、ちょっと違う感じがする。セビリアの会場はコートもいいし、風もなく雨も降らないから、気分が良くなる(笑)。ここからカンクンへ行くよりも向こうからこっちへ来る方がずっといい。私たち(最終戦の出場選手たち)は、プレーする前から、その話題についてよく話していたし、毎日連絡を取っていたほどだった。
結果的には選手全員が(大会やWTAに対して)非常に失望した結果になったと思う。あれはテニスではなかったし、どの試合でも多くの苦しみを味わった。それに私たちが披露したテニスは、観客にとっても私たちにとっても良くなかったと思う。カンクンに到着して、状態がひどいこと、さらには雨がひどいところを見て、がっかりした」
ボンドルソワの言葉からは、よほどひどいコンディションであったことがよくわかる。来年のファイナルズではそのようなことが起こらないよう計画的に準備を進めていってほしい。
文●中村光佑
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