海外テニス

「自信が欠けているように思える」苦戦続きのアルカラスを世界3位のメドベージェフが心配「プレーが少しだけ鈍っている」<SMASH>

中村光佑

2023.11.16

メドベージェフ(左)は、ウインブルドン優勝以降やや失速気味のアルカラス(右)について語った。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/インドアハードコート/FIN)に出場している世界ランク3位のダニール・メドベージェフ(ロシア)が、ラウンドロビン(総当たり戦)初戦勝利後の記者会見で、このところ苦戦が続く20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/2位)に言及。「彼は自信を持てていないように見える」との考えを口にした。

 今季も7月のウインブルドンでの四大大会2勝目を含むツアー6勝を挙げるなど驚異的な成績を残しているアルカラス。ところがここ最近はやや失速気味である。前週の「ロレックス・パリマスターズ」(ATP1000)は、初戦(2回戦)で敗退。先月の「ロレックス・上海マスターズ」(ATP1000)でも4回戦で敗れている。

 今週のファイナルズも現地13日に実施されたラウンドロビン第1戦では、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/7位)に7-6(3)、3-6、4-6の逆転で敗れ、幸先の良いスタートを切ることはできなかった。

 会見で勢いが鈍化しているアルカラスについて問われたメドベージェフは「何らかの理由で、カルロスのプレーが少しだけ鈍っているように感じる。彼は今、この1年を通して持っていた自信が欠けているように思える」と回答。一方でメドベージェフは、四大大会最多の24勝を誇る現王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)でさえも「苦しい時期があった」と述べた上で簡潔にこう続けた。
 
「アルカラスのような状況は誰にでも起こり得ることだ。ノバクだって若い頃は同じようなことがあった。問題は、どれだけ早く本来の強さを取り戻せるかだ」

 また、アルカラスとズベレフの第1戦を観戦したというメドベージェフは、単純にズベレフがアルカラスよりも良かったともコメント。「彼(アルカラス)が第2セットを落としてからも、彼らはスピーディーなストロークを見せた」としつつ、「サーシャはカルロスより10キロほどスピードで上回った。これは非常に驚くべきことだ」と勝者のズベレフを素直に称賛した。

 今大会の超高速サーフェスに「なぜシーズンの終わりにこのようなコートを用意したのかわからない」と珍しく不満を漏らしていたアルカラス。それでも現地15日に臨んだ第2戦では、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/5位)を7-5、6-2ストレートで下し、記念すべきファイナルズ初勝利を手にした。ラウンドロビン突破へ向け、次戦も質の高いプレーを見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

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