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【テニスルール虎の巻】サービスのボールが相手チームの前衛に当たってしまった時の判定<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.11.17

サービスのボールがダイレクトに当たったのか、バウンド後に当たったのかで判断は変わってくる。写真:THE DIGEST 写真部

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回のケースは「サービスのボール」についてです。サービスがうまく打てず、相手チームの前衛にボールをダイレクトで当ててしまいました。この場合はどのような判定が下されるのでしょうか…。

   ◆    ◆    ◆

 サービスのボールがバウンドする前にレシーバーチームの前衛に当たった場合は、レシーバー側の失点になります。また、レシーバー自身にノーバウンドでボールが当った時も同様の判定が下ります。サービスのレットでない限り、サーバーの得点です。よって質問のケースでは、ボールを当てた方(サーバー側)のポイントとなります。

 明らかにフォールトになるサービスでも、それにノーバウンドで触れてしまうとレシーバー側の失点です。だからレシーバー側は「ボールが当たりそうだ!」と判断したらすぐに逃げることです。
 
 また打ちそこないのサービスを、レシーバーが「これは明らかにフォールトだ」と判断し、バウンド前のボールを手でキャッチした場合もレシーバー側の失点となります。たまに「隣のコートに迷惑がかかるから」という理由で「止めますよ」と言ってからボールに触る人もいますが、これもルール的には失点です。

 ノーバウンドのボールが身体ではなくラケットに当たった場合も同様の判断が下されます。「危ないからラケットでガードした」という理由は通用しないのです。ゆえに前述したように、こうしたケースではボールが当らないように逃げることです。チームや状況によってレシーバー側の前衛がセンターラインぎりぎりで構えることもあります。そういう時は十分注意しましょう。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2023年2月号より抜粋・再編集
※本文と掲載されている写真は関係ありません

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