現在開催中の男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ」(11月21日~26日/スペイン・マラガ/インドアハードコート)にセルビア代表として出場した世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、大会期間中の記者会見で試合直前のドーピング検査に対する不快感をあらわにした。
イギリスメディア『Express』によると、現地23日に行なわれたセルビア対イギリスの準々決勝のシングルス第2試合で、キャメロン・ノーリー(イギリス/18位)に6-4、6-4のストレートで勝利したジョコビッチは、直後の会見で「今日の試合の開始1時間半前にドーピング検査を実施するとの通告を受けた」と発言。結局ジョコビッチは「タイミングが正しくない」としてこの試合直前のドーピング検査を拒否し、試合終了後に尿サンプルを提出したと報じられている。
スペインの大手ニュースメディア『Marca』によれば、デ杯ファイナルズに出場するチームのキャプテンらは、「大会期間中に抜き打ちのドーピング検査が行なわれる」との通知を受けていたという。ただジョコビッチはさすがにそれが試合開始直前に実施されるとは予想していなかったようだ。会見でジョコビッチは以下のように不満を爆発させた。
「あんなことは初めてだ。試合後に検査をするというのに、試合直前にそれをするのは意味がわからない。彼ら(ドーピング検査の機関)は僕に(抜き打ち検査の旨を)試合開始の1時間半前に通知してきた。だが僕には試合前のルーティンがあり、(普段は)その段階で献血や献尿について考える必要はない。全く非論理的な決定だ」
さらにジョコビッチは「検査のために派遣されたエージェント(代理人)の態度も悪かった。僕はそのエージェントと口論をした」ともコメント。検査のやり方があまりにもひどいとして強めの口調でこう続けた。
「僕の20年のキャリアの中でそんなことは一度もなかった。彼(代理人)は隅っこに座って何時間も僕の後を追ってきた。それはとんでもないことだった。僕はいつもドーピング検査を行なうことについては支持してきたが、試合の前となると話は別だ。(個人的に)隠すことは何もないが、一定の制限は必要だろう」
なおテニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」の広報担当者はジョコビッチに反論する形でドーピング検査機関を擁護するコメントを発表し、「デビスカップを含むチーム競技の形式により、チームは試合開始前に検査の通知を受け、準備ができた時点でサンプルを提供する場合がある」と説明している。
とはいえかねてから抜き打ちのドーピング検査はその実施方法が問題視されており、検査機関側にもルールを設けるべきというジョコビッチの意見も理解できる。無論簡単な話ではないが、抜き打ちであっても選手への配慮が失われることは避けてほしいものだ。
文●中村光佑
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イギリスメディア『Express』によると、現地23日に行なわれたセルビア対イギリスの準々決勝のシングルス第2試合で、キャメロン・ノーリー(イギリス/18位)に6-4、6-4のストレートで勝利したジョコビッチは、直後の会見で「今日の試合の開始1時間半前にドーピング検査を実施するとの通告を受けた」と発言。結局ジョコビッチは「タイミングが正しくない」としてこの試合直前のドーピング検査を拒否し、試合終了後に尿サンプルを提出したと報じられている。
スペインの大手ニュースメディア『Marca』によれば、デ杯ファイナルズに出場するチームのキャプテンらは、「大会期間中に抜き打ちのドーピング検査が行なわれる」との通知を受けていたという。ただジョコビッチはさすがにそれが試合開始直前に実施されるとは予想していなかったようだ。会見でジョコビッチは以下のように不満を爆発させた。
「あんなことは初めてだ。試合後に検査をするというのに、試合直前にそれをするのは意味がわからない。彼ら(ドーピング検査の機関)は僕に(抜き打ち検査の旨を)試合開始の1時間半前に通知してきた。だが僕には試合前のルーティンがあり、(普段は)その段階で献血や献尿について考える必要はない。全く非論理的な決定だ」
さらにジョコビッチは「検査のために派遣されたエージェント(代理人)の態度も悪かった。僕はそのエージェントと口論をした」ともコメント。検査のやり方があまりにもひどいとして強めの口調でこう続けた。
「僕の20年のキャリアの中でそんなことは一度もなかった。彼(代理人)は隅っこに座って何時間も僕の後を追ってきた。それはとんでもないことだった。僕はいつもドーピング検査を行なうことについては支持してきたが、試合の前となると話は別だ。(個人的に)隠すことは何もないが、一定の制限は必要だろう」
なおテニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」の広報担当者はジョコビッチに反論する形でドーピング検査機関を擁護するコメントを発表し、「デビスカップを含むチーム競技の形式により、チームは試合開始前に検査の通知を受け、準備ができた時点でサンプルを提供する場合がある」と説明している。
とはいえかねてから抜き打ちのドーピング検査はその実施方法が問題視されており、検査機関側にもルールを設けるべきというジョコビッチの意見も理解できる。無論簡単な話ではないが、抜き打ちであっても選手への配慮が失われることは避けてほしいものだ。
文●中村光佑
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