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来季復帰を明言している元全米女王ラドゥカヌに米有名コーチが「精神面を強化する必要がある」と助言!<SMASH>

中村光佑

2023.12.01

元世界女王のセレナ・ウィリアムズを指導した経験を持つマッシ氏(左)は、ラドゥカヌ(右)の復帰に向けてプレッシャーを跳ね返す力が必要だと考えている。Getty Images

 予選から全てストレート勝ちを収めて四大大会初優勝を果たした2021年の全米オープン以降、受難の日々を送っている女子テニス元世界ランク10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現294位/21歳)。今季も両手首と足首の故障により4月のクレーシーズンを最後にツアーではプレーできず、長く暗いトンネルからなかなか抜け出せない状況が続いていた。

 それでも今年8月初旬にはコート練習を再開。11月初めに『Amazon Prime Video Sport』の公式X(旧ツイッター/@primevideosport)が公開したインタビュー動画では、来季からのツアー復帰を明言し、「メンタル的には(優勝した)21年の全米の前後よりもいい状態だと思う」と自信も見せていた。

 そのメンタルこそラドゥカヌが最も鍛えなければならない要素だと主張するのが、過去にコーチとして元世界女王のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ/42歳)を指導した経験を持つリック・マッシ氏(アメリカ/68歳)だ。

 実はラドゥカヌ自身も「全米を優勝しなければよかった」と、長らく周囲からのプレッシャーに押しつぶされていたことを明かしていたが、それを踏まえた上でマッシ氏は「エマ(ラドゥカヌ)は復帰に向けて精神面を強化する必要がある」との考えを口にした。
 
「彼女にはむしろプレッシャーがかかるくらいが良いだろう。プロの選手になるために必要なトレーニングに取り組む中、彼女が世界で一番になりたいと思っているなら、それに伴うものに対処しなければならない。そしてメディアに対処する準備も必要だろう」

 マッシ氏は、ラドゥカヌが常に大きな重圧を背負っていることについては、無論理解していると語る。一方で同氏は、仮にラドゥカヌが今後も世界のトップで活躍し続けたいのであれば、プレッシャーを跳ね返す力を備えていなければならないと改めて主張する。

「もし彼女が自分について言われていること全てに耳を傾けるつもりでいるなら、テニスはうまくいかないと思う。メンタルを防弾仕様にしておかなければならない。過去を思い出す能力と同じくらい重要なのは(つらかったことを)忘れる能力であり、彼女はこれまでに直面した逆境から学ぶべきだ」と独特の表現を交えて締めくくった。

 10代で四大大会を制したラドゥカヌなら、今の困難な状況も乗り越えてくれることを信じたいものである。マッシ氏の厳しい言葉も彼女にしっかりと届くことだろう。

文●中村光佑

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