2023年は、四大大会3つ(全豪・全仏・全米)を制覇し、最多記録を更新する通算8度目の年間1位も手にした男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。衰え知らずの闘争心と強靭なメンタルでテニス界を牽引し続ける姿には、ファンも思わず舌を巻いてしまうほどである。
そんな36歳の鉄人は今、どこにモチベーションを見出しているのだろうか。それこそが近年続々と台頭している若手選手の存在だという。
現地時間12月10日にアメリカCBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組『60 minutes』に出演したジョコビッチは、今年7月のウインブルドン決勝で自身の大会5連覇を阻んだ20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現2位)との"世代を超えたライバル関係"を引き合いに、次のように語った。
「成功を渇望し、僕に対してベストを尽くそうと奮起する若手たちが僕のさらなるモチベーションを引き出している。ある意味、彼らは僕の中の"野獣"を目覚めさせた。アルカラスは僕が見てきた中で最も完成度の高い選手で、ウインブルドンで負けたことがとても腹立たしかったから、北米シリーズで全てを勝ち取らなければならなかった(笑)このライバル関係は、これまで以上に努力するための素晴らしい機会だ」
ジョコビッチと言えば度々コートマナーが問題視されてきたプレーヤーの1人だが、怒りを即座に力に変える切り替えの早さや、絶体絶命の状況でも動じない類まれな精神力を武器にタイトルを総なめにしてきた。そういったメンタルの強さも「日々の努力で得られるものだ」と語るジョコビッチ。それでも当然ながら試合中はいつも冷静でいられるわけではないとも明かす。
「プレッシャーにさらされているときも冷静さを保っているように見えるかもしれないが、その時は僕の中に嵐が起きているように思う。自分自身に対して最大の戦いを挑むのであり、その時に疑いと恐れを抱きがちだ。どの試合でもそれを感じているが、常に前向きに考えたり、楽観的でいたりすることは不可能だ」
続けて「これまでに数多くのラケットを壊してきたことを誇りに思っているわけではない。それについて僕は自分自身を恥じていて、同時に自分が欠陥のある人間であることも受け入れている」と自身の過ちも素直に認めるジョコビッチだが、未だに周囲からは厳しい目を向けられることも多い。日々メンタル強化に取り組んできた結果、試合ではアウェーの状況でも揺らがない心を手に入れたとしつつ、知られざる本音も口にした。
「観客が味方しない時は、プレッシャーとストレスがはるかに大きくなる。これまでのほとんどがそんな感じだったが、敵対的な雰囲気の中で最高の選手になることを学んだ。人々は世間が僕を応援しないほうが、僕にとっては良いことだと考えている。それが僕のベストを引き出すからだと思っているのだろう。確かに時々そのようなことは起こったが、やっぱりファンからの良いサポートがある時の方が楽しいね」
そうは言っても逆境をものともしないメンタリティこそがジョコビッチの強さを支えてきたのは間違いないだろう。来季もどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。
文●中村光佑
【PHOTO】ジョコビッチはじめ全米オープン2023で存在感を放つ男子トップ選手の厳選ショットを一挙公開!
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そんな36歳の鉄人は今、どこにモチベーションを見出しているのだろうか。それこそが近年続々と台頭している若手選手の存在だという。
現地時間12月10日にアメリカCBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組『60 minutes』に出演したジョコビッチは、今年7月のウインブルドン決勝で自身の大会5連覇を阻んだ20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現2位)との"世代を超えたライバル関係"を引き合いに、次のように語った。
「成功を渇望し、僕に対してベストを尽くそうと奮起する若手たちが僕のさらなるモチベーションを引き出している。ある意味、彼らは僕の中の"野獣"を目覚めさせた。アルカラスは僕が見てきた中で最も完成度の高い選手で、ウインブルドンで負けたことがとても腹立たしかったから、北米シリーズで全てを勝ち取らなければならなかった(笑)このライバル関係は、これまで以上に努力するための素晴らしい機会だ」
ジョコビッチと言えば度々コートマナーが問題視されてきたプレーヤーの1人だが、怒りを即座に力に変える切り替えの早さや、絶体絶命の状況でも動じない類まれな精神力を武器にタイトルを総なめにしてきた。そういったメンタルの強さも「日々の努力で得られるものだ」と語るジョコビッチ。それでも当然ながら試合中はいつも冷静でいられるわけではないとも明かす。
「プレッシャーにさらされているときも冷静さを保っているように見えるかもしれないが、その時は僕の中に嵐が起きているように思う。自分自身に対して最大の戦いを挑むのであり、その時に疑いと恐れを抱きがちだ。どの試合でもそれを感じているが、常に前向きに考えたり、楽観的でいたりすることは不可能だ」
続けて「これまでに数多くのラケットを壊してきたことを誇りに思っているわけではない。それについて僕は自分自身を恥じていて、同時に自分が欠陥のある人間であることも受け入れている」と自身の過ちも素直に認めるジョコビッチだが、未だに周囲からは厳しい目を向けられることも多い。日々メンタル強化に取り組んできた結果、試合ではアウェーの状況でも揺らがない心を手に入れたとしつつ、知られざる本音も口にした。
「観客が味方しない時は、プレッシャーとストレスがはるかに大きくなる。これまでのほとんどがそんな感じだったが、敵対的な雰囲気の中で最高の選手になることを学んだ。人々は世間が僕を応援しないほうが、僕にとっては良いことだと考えている。それが僕のベストを引き出すからだと思っているのだろう。確かに時々そのようなことは起こったが、やっぱりファンからの良いサポートがある時の方が楽しいね」
そうは言っても逆境をものともしないメンタリティこそがジョコビッチの強さを支えてきたのは間違いないだろう。来季もどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。
文●中村光佑
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