優勝賞金1,000万円をかけた、国内最大の賞金大会「SBCドリームテニスツアー・ファイナルラウンド」が、12月16日に兵庫県三木市のブルボーンビーンズドームで開幕。初日には、総当たりの予選グループが行なわれ、男女8名が17日に行なわれる決勝トーナメントへの切符を手にした。
「優勝しか見てないです」
穏やかな口調と表情とは裏腹に、力強い言葉を口にするのは、前年優勝者の清水悠太だ。昨年つかんだ1,000万円を元手に、今年はトレーナーをツアーに帯同させ、より高いレベルの大会にも挑戦してきた。
その成果は、203位の自己最高世界ランキング、そして初の全米オープン予選出場として結実する。2023年シーズンを211位で終え、来年1月の全豪オープン予選出場も確実にした清水は、「来シーズンが始まる前の試合勘」、そして何より、「充実したチーム体制でツアーを回るための資金獲得」に照準を定める。
その清水が辿った足跡を、自らも追うべく静かに闘志をたぎらせるのが、今年の全日本選手権覇者の徳田廉大。清水より1歳年長の徳田は、5年前にキャリア最高位の289位に至るも、そこからはヒザのケガもあり苦しい時期を過ごしてきた。
そんな彼の目には、トレーナーを帯同させ、飛躍のシーズンを過ごした清水の姿がまぶしく映る。
「悠太の取り組みは結果として現れている。僕もヒザのことがあるので、ケアをしてくれるトレーナーを連れてツアーを回りたい」
かつての自己最高位を越え、グランドスラム(四大大会)に行くためにも、徳田がこの大会で目指すのは、やはり頂点のみだ。
女子の方では、35歳のベテラン瀬間詠里花が、昨年優勝者の桑田寛子らを破りグループ2位で決勝トーナメントへ進出した。
今年から練習拠点を高崎テニスクラブに変えた瀬間は、4月に「フォアハンドのグリップを変えた」という。「最初は、打つボール全てフェンス直撃」するほどの大改革。コーチの松田将十に、「毎日、本当に大丈夫ですかと確認した」というほどに不安を抱えながらのスタートだった。
最初は試合でも、うまくいかず負けることもある。それでも根気強く続けるうちに、「フォアで攻めて、ベースラインからもウイナーを奪えるようになった」。プレーの幅が広がったことで、今は「テニスがすごく楽しい」と天真な笑みを広げる。
そんな瀬間が目指すのは、かつて立ったグランドスラム予選のステージ。「来年の全米オープンの予選には出たい」。そう目を輝かすベテランがこの大会で狙うのも、遠征費用となる賞金だ。
今大会に参戦する選手は、年齢やランキング、キャリアにおける現在地も異なる。
ただ一つ共通するのは、各々がそれぞれの物語を背負いながら、夢舞台への足掛かりを、この大会に求めていることだ。
取材・文●内田暁
【PHOTO】SBC Dream Tennis Tour 2022/Final Round | 優勝の清水悠太、桑田寛子ら上位入賞選手を一挙紹介!
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「優勝しか見てないです」
穏やかな口調と表情とは裏腹に、力強い言葉を口にするのは、前年優勝者の清水悠太だ。昨年つかんだ1,000万円を元手に、今年はトレーナーをツアーに帯同させ、より高いレベルの大会にも挑戦してきた。
その成果は、203位の自己最高世界ランキング、そして初の全米オープン予選出場として結実する。2023年シーズンを211位で終え、来年1月の全豪オープン予選出場も確実にした清水は、「来シーズンが始まる前の試合勘」、そして何より、「充実したチーム体制でツアーを回るための資金獲得」に照準を定める。
その清水が辿った足跡を、自らも追うべく静かに闘志をたぎらせるのが、今年の全日本選手権覇者の徳田廉大。清水より1歳年長の徳田は、5年前にキャリア最高位の289位に至るも、そこからはヒザのケガもあり苦しい時期を過ごしてきた。
そんな彼の目には、トレーナーを帯同させ、飛躍のシーズンを過ごした清水の姿がまぶしく映る。
「悠太の取り組みは結果として現れている。僕もヒザのことがあるので、ケアをしてくれるトレーナーを連れてツアーを回りたい」
かつての自己最高位を越え、グランドスラム(四大大会)に行くためにも、徳田がこの大会で目指すのは、やはり頂点のみだ。
女子の方では、35歳のベテラン瀬間詠里花が、昨年優勝者の桑田寛子らを破りグループ2位で決勝トーナメントへ進出した。
今年から練習拠点を高崎テニスクラブに変えた瀬間は、4月に「フォアハンドのグリップを変えた」という。「最初は、打つボール全てフェンス直撃」するほどの大改革。コーチの松田将十に、「毎日、本当に大丈夫ですかと確認した」というほどに不安を抱えながらのスタートだった。
最初は試合でも、うまくいかず負けることもある。それでも根気強く続けるうちに、「フォアで攻めて、ベースラインからもウイナーを奪えるようになった」。プレーの幅が広がったことで、今は「テニスがすごく楽しい」と天真な笑みを広げる。
そんな瀬間が目指すのは、かつて立ったグランドスラム予選のステージ。「来年の全米オープンの予選には出たい」。そう目を輝かすベテランがこの大会で狙うのも、遠征費用となる賞金だ。
今大会に参戦する選手は、年齢やランキング、キャリアにおける現在地も異なる。
ただ一つ共通するのは、各々がそれぞれの物語を背負いながら、夢舞台への足掛かりを、この大会に求めていることだ。
取材・文●内田暁
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