専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

元世界12位ロペスが母国の後輩アルカラスについて語る!活躍を称賛しつつ「彼をロジャー、ラファ、ノバクと比較しがちだ」と強調<SMASH>

中村光佑

2023.12.19

アルカラス(左)を“ビッグ3の後継者”という風潮に違和感を感じているロペス(右)だが、「カルロスのキャリアを楽しもうじゃないか」と今後の成長を期待した。(C)Getty Images

アルカラス(左)を“ビッグ3の後継者”という風潮に違和感を感じているロペス(右)だが、「カルロスのキャリアを楽しもうじゃないか」と今後の成長を期待した。(C)Getty Images

 今年7月のウインブルドンで殊勲の四大大会2勝目を手にし、弱冠20歳にして世界2位に君臨する男子テニスのカルロス・アルカラス(スペイン)。類まれなポテンシャルを持つ彼は長年テニス界をけん引してきたロジャー・フェデラー(スイス/元1位/昨年引退)、ラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現666位)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)の“ビッグ3”と比較されることも非常に多い。

 そうした中、今年6月に現役を引退した元世界12位のフェリシアーノ・ロペス氏(スペイン/42歳)は、アルカラスを“ビッグ3の後継者”と称す風潮に違和感を覚えているという。中でも同氏はアルカラスがどれだけの功績を残しても、「ビッグ3と比較されてすごさが淀んでしまう」現状を少々気の毒に思っているようだ。

 先日スペインメディア『AS』の取材に応じたロペス氏は、「彼はもう四大大会で2勝を挙げていて、世界1位にもなった。信じられないほど素晴らしい選手だ」と若くしてすさまじい活躍を続けるアルカラスを称賛。スペインテニス界を引っ張ってきたナダルが「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート/四大大会)だけで14度もの優勝を経験していることに触れつつ、次のように続けた。
 
「カルロスは数年ごとに出てくる特異な選手の1人だが、我々は彼をロジャー、ラファ、ノバクと比較しがちだ。彼ら3人がどれだけのことを成し遂げてきたのか、人々はあまり気付いていない。カルロスが15回四大大会を制したとしても、なぜそれがすごいことだと見られないのか? そこでの問題は、サンプラス(アメリカ/元1位/現52歳)がつい最近まで(歴代1位の)14回のグランドスラムタイトルを持っていた中で、ナダルが同じ大会で14度頂点に立ったことも関係している」

 さらにロペス氏はこの先フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3人が作り上げてきた“黄金時代”が繰り返される可能性は極めて低いと強調し、改めてアルカラスの成長を温かい目で見守っていくべきだと主張した。

「僕も(ビッグ3がいた)この時代を生き抜き、彼らと対峙してきた。1度起こったことが再び起こることはないだろう。つまり、ビッグ3が築き上げたような時代が再び発生する確率は非常に低いということだ。そもそも15年ごとにマイケル・ジョーダン(アメリカ/元NBA選手)のような(偉大な)選手が3人一緒にいるところを見るなんて非現実的だ。

 カルロスのキャリアを楽しもうじゃないか。彼が四大大会で10勝、12勝、または13勝するかは時間が経てばわかる。今は彼が成し遂げてきたことを評価しよう。あの年齢であれほどうまくプレーする選手を僕は見たことがない」

 確かにアルカラスはまだまだ若く、伸びしろも十分にある。焦らず、長い目で20歳のニューヒーローを応援していきたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】全米オープン2023で存在感を放ったアルカラスら男子トップ選手のプレー集!

【PHOTO】優勝はアルカラス! ウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たち!

【連続写真】アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号