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福田勝志がバックのブロックリターンのコツを伝授。面をコンパクトに合わせる鍵は?【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.12.27

福田勝志選手のブロックリターン。両腕を腰に付けるようにして引き(3コマ目)、小さく腰をひねり戻してスイング(4~7コマ目)。大きく振り切らないことが大切だ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は47歳で現役を続ける超人、福田勝志選手の3回目。バックハンドのブロックリターンについて教えてくれた。

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 サービスリターンで心掛けているのは、月並みですが「コンパクトに返す」ということです。ボールの威力よりもコントロールを重視しています。

 写真で紹介しているのはバックハンドですが、バックでコンパクトに打つには、両腕を右腰(右利きの場合は左腰)に付けておくイメージが大切になります。これが離れると、テイクバックが大きくなってしまいがちだからです。

 両腕を腰に付けた感じで引き(3コマ目)、その形からスタートすると、スイングが身体の回転と同調しやすくなるので、コンパクトに面をボールに合わせることができます。両腕の位置が腰近くに制限されれば、そんなに後ろには引けませんから。
 
 それと、タイミングを早くして前で取ることもリターンでは大切です。そのためには、身体の回転は使うんですけど、そのひねる量を抑えめにします。小さくひねり(4コマ目)、前向きに戻しながらボールを押し返す(5~7コマ目)。腕も引かないし、身体もそんなにターンしなければ、返球率は確実に上がります。

 これなら速いサービスでもブロックできます。その代わりパワーは出しづらいですが、来た方向にそのまま返すのには、すごく適した打ち方だと思います。

 面をボールに合わせ、前に押し出したら、それで終わりという感覚です(8コマ目)。ブロックリターンでは肩までフォロースルーしていく意識はありません。

【プロフィール】福田勝志/ふくだかつし
1976年4月14日、京都府生まれ。168cm、60kg、左利き。同志社大学出身。28歳でプロ転向し、正確なショットと頭脳的な配球で活躍。全日本選手権に計29回出場し、47歳の今なお現役でツアーを回る国内最年長プロ。日本ランク最高9位、現在91位(12/26付)。LUCENT ATHLETE WORKS所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年7月号より再編集

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