海外テニス

大坂なおみ、復帰大会は2回戦敗退も「“自分はもう大丈夫だ”ということを証明できた」と手応え<SMASH>

中村光佑

2024.01.04

「ブリスベン国際」2回戦で元世界女王のプリスコワにフルセットで敗退した大坂だが、ブランクを感じさせない力強いプレーを披露した。(C)Getty Images

 現地時間1月3日、女子テニスツアー開幕戦「ブリスベン国際」(12月31日~1月7日//オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/WTA500)のシングルス2回戦が行なわれ、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で約1年3カ月ぶりのツアー公式戦に臨んだ大坂なおみ(元1位/26歳)は、元世界女王のカロリーナ・プリスコワ(チェコ/現39位/31歳)と対戦。持ち前の力強いテニスを披露したものの6-3、6-7 (4)、4-6の逆転で敗れ、惜しくもベスト16進出を逃した。

 昨年7月に娘のシャイちゃんを出産し、強い母親となってコートに戻ってきた大坂。現地1日に行なわれた1回戦ではタマラ・コルパッチ(ドイツ/83位)に6-3、7-6(9)でストレート勝ちを収め、見事復帰戦を勝利で飾っていた。

 そんな大坂を2回戦で待ち受けたのは、四大大会で過去2度決勝に進出した経験を持つ元世界1位のプリスコワ。1回戦とは打って変わって格段にレベルの高い相手との対戦となったが、大坂は序盤から得意のフォアハンドの強打とサービスを軸にポイントを重ねていく。第2ゲームで早くもブレークに成功すると、第5ゲームからは3ゲームを連取。そのリードを守り切って6-3で第1セットを奪う。

 第2セットでも先にチャンスをつかんだのは大坂だった。第3ゲームではプリスコワのダブルフォールトもあり0-40と3度のブレークポイントを獲得する。だがこれを全て凌がれると、以降の大坂は徐々にサービスの安定感を取り戻していくプリスコワに対しリターンゲームで苦戦。何とか自身もキープを続けてタイブレークに持ち込むも、ここでは2度のミニブレークを喫してセットオールとされる。
 
 ファイナルセットに入ってもリターンに苦しんだ大坂。ストローク戦では打ち急ぎのミスが目立つようになり、第3ゲームで痛恨のブレークを献上。途中プリスコワのサービスの質が落ちたことで数回ブレークバックのチャンスをつかむもそれらをものにできず、2時間14分の熱戦の末に2回戦敗退となった。

 それでも26歳の元女王は、久々の実戦にもかかわらず予想以上に良いパフォーマンスができたと明かす。試合後の会見では前向きに試合内容を振り返りつつ、以下のように手応えを語った。

「今日の結果はとても残念だけど、努力を続ければ、いつかは目標に到達できるとわかっている。彼女(プリスコワ)は素晴らしいサーブを持っているから、ちょっと厳しかった。ブレークポイントで私がもっと良いプレーができればよかったけど、それ以外は2人とも本当に良いプレーができたと思う。

 コートに立つだけでも"個人的な勝利"をつかんだと思っている。数週間前には選手相手にプレーできるかどうかも疑問だった。今大会で2試合プレーできたことで"自分はもう大丈夫だ"ということを証明できたと思うし、今年は私にとって良い方向に向かっていくのではないかと思っている」

 確かにプレーを見る限りは1年以上ものブランクがあったとは思えない。まだまだ課題は山積みなのだろうが、大坂の完全復活は大いに期待できそうだ。

文●中村光佑

【動画】大坂なおみ対プリスコワ!「ブリスベン国際」2回戦のハイライト

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