海外テニス

ナダルが復帰戦でベスト8進出!「制限なくプレーできていて、とても楽しい」と手応え<SMASH>

中村光佑

2024.01.05

2試合連続のストレート勝ちを収めたナダルは「まだ訓練中」と語るがコンディションは間違いなく上向いている。(C)Getty Images

 2024年シーズンの開幕戦として行なわれている男子テニスツアー「ブリスベン国際」(2023年12月31日~24年1月7日/オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250)。この大会で約1年ぶりの実戦に臨んでいる元世界1位のラファエル・ナダル(スペイン/現672位)が、早くも本来のプレーを取り戻しつつある。

 現地2日に迎えたシングルス復帰戦で元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現98位)を7-5、6-1で撃破したナダルは、4日に実施された2回戦で地元勢のジェイソン・クブラー(オーストラリア/同102位)と対戦。初戦に続き力強いテニスで攻勢に出たナダルは立ち上がりから主導権を掌握し、第1ゲームから5ゲームを連取して難なく1セットアップとする。

 第2セットに入っても得意のフォアハンドの逆クロスや鋭いバックハンドで順調にポイントを重ねていったナダル。第1ゲームでいきなりブレークを奪うと、終盤の第7ゲームで2度目のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった第8ゲームをしっかりとキープし、6-1、6-2のストレートで試合を締めくくった。

 復帰大会でいきなりベスト8入りを決めたナダルは、記者会見で試合内容を振り返りつつ、終始質の高いパフォーマンスができたことに満足していると語った。
 
「今日はポジティブな試合になった。特に試合の始めは非常に良いレベルのテニスができた。使うべき戦術で、ほぼ全てのことをやり遂げた。とてもしっかりしたプレーができたね。 ほとんどの時間でとても良いプレーができたから、この勝利をうれしく思う。明日またプレーできることこそが今の僕にとって重要なことだ」

 長らく痛みを抱えていた股関節の状態については「特に気にならない」と明かす。「全体的にコンディションは良い。股関節が気にならないのは僕にとって非常に大事なこと。足の反応も良好。制限なくプレーできていて、とても楽しいよ」とテニスの内容にも手ごたえを感じている様子だ。

 それでも完全復活への道のりは険しいとナダルらしい謙虚な姿勢も見せている。まだまだ課題は山積みだとしてこう続けた。

「今は毎日が学びの日だ。各ポイントを非常に集中してプレーする必要がある。結果は関係なく、各ポイントで集中して適切な強度でプレーする方法を学ばなければならない。その感覚は最終的には失われてしまうものだからね。もう一度競うことに慣れて、試合の中で少しリラックスすべき瞬間とよりギアを入れるべき瞬間を理解しないといけない。今はまだそれができない。そこを訓練しなければならない」

 現地5日に予定されている準々決勝では、世界55位のジョーダン・トンプソン(オーストラリア)と対戦するナダル。次戦もどんなプレーを見せてくれるのか注目しよう。

文●中村光佑

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