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ロシアでのエキジビション出場を批判されたマナリノが真っ向反論!「政治に興味はない。自分の仕事をしたまでだ」<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.01.17

ロシアでの公式戦は禁止されたが、エキジビションに制限はない。出場を批判されたマナリノは「政治的な支援は何もしていない」と反論した。(C)Getty Images

 現在開催されている「全豪オープン」の男子シングルス初戦で、元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現56位)を倒したアドリアン・マナリノ(フランス/現19位)が、シーズンオフの"例の一件"について弁明した。

 35歳のマナリノは3勝を挙げた昨季の好調をキープし、全豪開幕時には世界19位(フランス人最上位)とキャリアハイを更新。2014年全豪王者との1回戦でも、セットカウント1-2からの逆転で勝利をつかんでいる。そんな3時間36分の熱闘の後だったが、かねてから問題視されているロシアでのエキジビション出場について、会見でずばり問われたのだ。

 問題の大会とは「ノーザン・パルミラ・トロフィー」。ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムがスポンサードしたエキジビション大会である。マナリノはロベルト・バウティスタアグート(スペイン)やラスロ・ジェレ(セルビア)、カレン・ハチャノフ(ロシア)らと共に、12月初旬に3日にわたり参加している。

「僕はプロのテニスプレーヤーだ。政治とかには興味がない。ただそこに行っただけ。自分の仕事をしたまでだよ」

 マナリノはあくまでテニス選手の仕事として出場しただけだと主張し、「あれはプライベートなイベントだった。政治的な支援は何もしていない。何も話すことはない」と話を終えた。
 
 ロシアのウクライナ侵攻を受け、現在ATPとWTAはロシアでの公式トーナメント開催を禁止。「サンクトペテルブルク・オープン」はカザフスタンに移り、モスクワの「クレムリン・カップ」は廃止された。マナリノの主張の通り、プライベートなエキジビション大会は禁止されていないのが現状だ。

 だが既報の通り、現在もウクライナ軍の最前線で戦い続ける男子テニス元世界13位のアレクサンダー・ドルゴポロフ氏はこう言っていた。

「彼ら(出場した選手)はただブラックマネーを得るだけだ。ロシア人は毎日、核攻撃やエネルギー恐喝でヨーロッパを脅しているのに、彼らはそこに行って金を稼ぐことを選択している」

 ウクライナ戦争の終わりが全く見えない中、マナリノのコメントにかつてのツアー仲間をうなずかせる説得力は到底ない。テニス界に生じた溝は深まるばかりだ。

構成●スマッシュ編集部

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