現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」は現地1月21日に男子シングルス4回戦を実施。第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/世界ランク5位)が大接戦の末に地元勢で第10シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同10位)を6-4、6-7 (5)、 6-7 (4)、6-3、6-0のフルセットで下し、同大会2年連続3度目のベスト8進出を決めた。
互いの意地と意地がぶつかり合う壮絶な戦いだった。立ち上がりからルブレフの攻撃力と、デミノーの粘り強いディフェンスに観客も息を飲む緊迫の展開。ルブレフが序盤の第3ゲームから3ゲームを連取すれば、デミノーも負けじと第7ゲームでブレークバックを果たして試合は振り出しに。それでも最終第10ゲームではルブレフがブレークチャンスをつかみ、これを生かし切ったルブレフが1セットアップとする。
だが第2セットに入るとルブレフは、母国ファンの後押しを受けたデミノーの力強いショットに苦戦。ストローク戦でも自身のミスが重なったことで流れをつかめずにいたが、何とかキープを続けてタイブレークへ持ち込む。しかしここではデミノーに先にミニブレークを許し、そのままセットオールとされる。
次第に気持ちが切れかけるルブレフは、第3セットでも第2ゲームでブレークを献上。イライラを抑えられないまま試合が進んでいき、第9ゲームではデミノーがサービング・フォー・ザ・セットを迎える。トップ5の意地を見せて起死回生のブレークバックを果たしたルブレフだったが、そのまま突入したこの日2度目のタイブレークでは、またしても思うようにポイントを奪えず。セットカウント1-2となり崖っぷちの状況に立たされる。
それでもルブレフは諦めなかった。デミノーのプレーの質が落ちてきた一方、ルブレフは自分のプレーに徹し、第2ゲームでブレークに成功。直後の第3ゲームでブレークバックを与えるも、第6ゲームで再びリードを奪い、勝負の行方はファイナルセットへ。これでリズムを取り戻したルブレフは終盤にかけ、持ち味のアグレッシブなテニスで主導権を掌握。1ゲームも与えずにデミノーを振り切り、4時間14分の死闘を制した。
死力を尽くしてつかみ取った節目のツアー通算300勝。疲れ切った様子でオンコートインタビューに答えたルブレフは初めに「アレックスに『素晴らしい試合をしたよね』と言いたい」とデミノーの健闘を称えつつ、次のように試合を振り返った。
「僕は3回戦終了後に『いい試合をして、観客のみんなに楽しんでもらいたい』と言ったけど、こんなに楽しい試合になるとは思っていなかったから、今はそのように言ったことをとても後悔しているよ(笑)。
セットカウント1-2にされた時はどうなるかわからなかった。それで僕は自分にこう言い聞かせた。『僕は今日死ぬかもしれないけど、全てを出し切ろう』とね。どういうわけか、以降の僕はどんどん良いプレーができるようになり、さらなるエネルギーを見出して、勝つことができた」
課題とされていたメンタルの成長が垣間見えるルブレフ。準々決勝では第4シードのヤニック・シナー(イタリア/4位)と対戦する。自身初の四大大会4強入りにも期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【動画】「全豪オープン」4回戦、ルブレフ対デミノーのハイライト
【PHOTO】シーズン開幕!ルブレフはじめ「全豪オープン2024」で躍動する男子選手たちの厳選ショット!
【連続写真】ルブレフの必殺ショット、思い切り打ち抜く回り込みフォアハンド
互いの意地と意地がぶつかり合う壮絶な戦いだった。立ち上がりからルブレフの攻撃力と、デミノーの粘り強いディフェンスに観客も息を飲む緊迫の展開。ルブレフが序盤の第3ゲームから3ゲームを連取すれば、デミノーも負けじと第7ゲームでブレークバックを果たして試合は振り出しに。それでも最終第10ゲームではルブレフがブレークチャンスをつかみ、これを生かし切ったルブレフが1セットアップとする。
だが第2セットに入るとルブレフは、母国ファンの後押しを受けたデミノーの力強いショットに苦戦。ストローク戦でも自身のミスが重なったことで流れをつかめずにいたが、何とかキープを続けてタイブレークへ持ち込む。しかしここではデミノーに先にミニブレークを許し、そのままセットオールとされる。
次第に気持ちが切れかけるルブレフは、第3セットでも第2ゲームでブレークを献上。イライラを抑えられないまま試合が進んでいき、第9ゲームではデミノーがサービング・フォー・ザ・セットを迎える。トップ5の意地を見せて起死回生のブレークバックを果たしたルブレフだったが、そのまま突入したこの日2度目のタイブレークでは、またしても思うようにポイントを奪えず。セットカウント1-2となり崖っぷちの状況に立たされる。
それでもルブレフは諦めなかった。デミノーのプレーの質が落ちてきた一方、ルブレフは自分のプレーに徹し、第2ゲームでブレークに成功。直後の第3ゲームでブレークバックを与えるも、第6ゲームで再びリードを奪い、勝負の行方はファイナルセットへ。これでリズムを取り戻したルブレフは終盤にかけ、持ち味のアグレッシブなテニスで主導権を掌握。1ゲームも与えずにデミノーを振り切り、4時間14分の死闘を制した。
死力を尽くしてつかみ取った節目のツアー通算300勝。疲れ切った様子でオンコートインタビューに答えたルブレフは初めに「アレックスに『素晴らしい試合をしたよね』と言いたい」とデミノーの健闘を称えつつ、次のように試合を振り返った。
「僕は3回戦終了後に『いい試合をして、観客のみんなに楽しんでもらいたい』と言ったけど、こんなに楽しい試合になるとは思っていなかったから、今はそのように言ったことをとても後悔しているよ(笑)。
セットカウント1-2にされた時はどうなるかわからなかった。それで僕は自分にこう言い聞かせた。『僕は今日死ぬかもしれないけど、全てを出し切ろう』とね。どういうわけか、以降の僕はどんどん良いプレーができるようになり、さらなるエネルギーを見出して、勝つことができた」
課題とされていたメンタルの成長が垣間見えるルブレフ。準々決勝では第4シードのヤニック・シナー(イタリア/4位)と対戦する。自身初の四大大会4強入りにも期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【動画】「全豪オープン」4回戦、ルブレフ対デミノーのハイライト
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