海外テニス

19歳の全米女王ガウフ、全豪オープンでの決勝進出を逃すも「自分自身を本当に誇りに思っている」と満足<SMASH>

中村光佑

2024.01.26

残念ながら全豪オープンでの決勝進出を逃したガウフだが、昨年の全米オープン初制覇など10代の自分が成し遂げたことには満足している。(C)Getty Images

 いよいよ大詰めを迎えているシーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)。現地1月25日には女子シングルス準決勝が行なわれ、第4シードで19歳のココ・ガウフ(アメリカ/世界ランキング4位)は、第2シードで前回覇者のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同2位)に6-7(2)、4-6のストレートで敗退。自身初の同大会決勝進出を逃した。

 両者は今大会がツアー7度目の顔合わせ。直近の対戦は23年9月の全米オープン決勝で、この時はガウフがサバレンカを2-6、6-3、6-2の逆転で破り、悲願の四大大会初優勝を飾っていた。

 あれから約4カ月の時を経て実現した全米決勝の再戦。序盤の第2ゲームで早くもブレークを献上したガウフだったが、直後の第3ゲームですかさずブレークバックに成功するなど、サバレンカの強打に食らいつきながら粘りのプレーを見せる。

 第6ゲームでは2度目のブレークを許すも、第8ゲームからはサバレンカのミスにも助けられる形で4ゲームを連取。第12ゲームではサービング・フォー・ザ・セットを迎えた。

 しかしこれを取り損ねたガウフは、そのまま突入したタイブレークで出だしから大きくリードされる苦しい展開。以降もストローク戦でミスが続いて思うようにポイントを奪えず、接戦の末に第1セットを落とした。

 この日はサービスゲームで安定感を欠いたガウフ。それでも辛抱強くキープを続け、第7ゲームではブレークのピンチを何とか切り抜ける。しかし終盤の第9ゲームではリターンエースやバックハンドのウイナーを奪われてデュースに持ち込まれ、自身のミスもあって痛恨のサービスダウン。最終第10ゲームはブレークバックできず、1時間42分で力尽きた。

 サバレンカにリベンジを許したガウフは試合後の会見で勝者を素直に称えつつ、以下のように悔しさを滲ませた。
 
「どちらのセットでもチャンスはあったけど、今夜の彼女はより良いプレーをした。自分が悪いプレーをしたとは思わないけど、優位に立てなかった点があったと感じた。準々決勝のコスチュク(ウクライナ/同37位)戦よりも、今日の試合の方がプレー自体は良かった。だからこそ今日は厳しい結果になった。私は自分に厳しい方だから、今日は『ダメ』って感じだった」

 一方で10代最後の四大大会出場となった今回の全豪は優勝を飾れずも「ポジティブなことはたくさんあった」という。ティーンエイジャーの間に自身が成し遂げた功績にも満足しているとし、最後をこう締めくくった。

「人生の今の段階を全体的に振り返ってみると、明らかに成功した方だとは思う。私は自分自身を本当に誇りに思っている。10代で四大大会を優勝するという目標も達成できた。今大会では世界2位になるチャンスがあって、結局それは叶わなかったけど、自分はもうそのレベルにいるような気はする。これからもっと上までいければ、と思っている」

 19歳とは思えないこの冷静さがガウフの強さを支えているのだろう。今後のさらなる活躍を大いに期待したい。

文●中村光佑

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