シーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)の男子シングルス準決勝で、ダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランキング3位)に7-5、6-3、6-7(4)、6-7(5)、3-6の逆転負けを喫したアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同6位)が、試合後の記者会見に登場。そのなかで敗因の1つに「体調不良に見舞われていた」ことを挙げた。
2022年の全仏オープンで右足首の大けがを負うも、同箇所の手術と懸命なリハビリを経て見事な復活を遂げた26歳のズベレフ。第6シードとして参戦した今回の全豪ではタフマッチをことごとく制して勝ち上がり、準々決勝では23年9月の全米オープン準々決勝で敗れたカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)に勝利しリベンジに成功。全豪では4年ぶりとなるベスト4進出を果たしていた。
現地1月26日の準決勝で顔を合わせたのは、過去7勝11敗と負け越しているメドベージェフ。中でも23年シーズンは6度対戦して1度しか勝てず、ズベレフにとってはまさに"宿敵"と言える相手だ。
この日主導権を握ったのはズベレフの方だった。序盤から鋭角なバックハンドのクロスとフォアハンドのストレートを軸に攻勢に出たズベレフは、強打からのネットプレーも織り交ぜながら試合を優位に進めていく。接戦の末に第1セットを先取すると、第2セットでも2度のブレークに成功し、大会初の決勝進出に王手を懸けた。
だがズベレフを待っていたのは予想外の結末だった。第3、4セットは粘りのプレーを見せるメドベージェフからなかなかブレークのチャンスをつかめず、結局タイブレークを連続で落として2セットオールに持ち込まれる。
そして勝負のファイナルセットでは序盤機能していたフォアのストレートが不調に陥り、ストローク戦でミスを連発。計21本のエラーを記録するなど精彩を欠いたズベレフは第5、9ゲームでブレークを喫し、4時間18分の大激戦の末に準決勝敗退となった。
勝利目前からの大逆転負けにはショックを隠し切れなかった。試合後の会見では母国ドイツを優勝に導いた年明けの「ユナイテッド・カップ」(男女混合の国別対抗戦)から好調が続いていたことを踏まえ、次のように簡潔に敗戦の弁を述べた。
「オーストラリアに来てからは高いレベルでプレーできていたから、この結果は非常に残念だ。何と言えばいいのかわからない」
続いてズベレフはアルカラス戦終了後から体調が良くなかったと明かし、次第にプレーの質を保てなくなったことが敗因だと語った。
「僕は第2セットの終わりにエネルギーを失い始め、それ以降もフレッシュな感覚ではなかった。アルカラス戦が終わった後から気分が悪くなり、熱も出てしまった。今日の試合も巻き返したかったけど、それができなかった。
最初の2セットと同じプレーができなくなったんだ。体力的に100パーセントではない時にダニールに対抗するのは不可能だ。(どちらかと言えば)テニスの面ではなく、体調が原因で負けてしまった。それが非常に残念だ」
それでも最後には「良いプレーができたことは誇りに思うし、自分に足りない部分があることを受け入れる必要がある」と前を向いたズベレフ。またしても四大大会初優勝はお預けとなってしまったが、悪夢の大ケガを乗り越えて心身ともに強くなった彼ならきっとすぐに立ち直ってくれるはずだ。
文●中村光佑
【PHOTO】ズベレフら「全豪オープン2024」で躍動する男子選手たちの厳選ショット!
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2022年の全仏オープンで右足首の大けがを負うも、同箇所の手術と懸命なリハビリを経て見事な復活を遂げた26歳のズベレフ。第6シードとして参戦した今回の全豪ではタフマッチをことごとく制して勝ち上がり、準々決勝では23年9月の全米オープン準々決勝で敗れたカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)に勝利しリベンジに成功。全豪では4年ぶりとなるベスト4進出を果たしていた。
現地1月26日の準決勝で顔を合わせたのは、過去7勝11敗と負け越しているメドベージェフ。中でも23年シーズンは6度対戦して1度しか勝てず、ズベレフにとってはまさに"宿敵"と言える相手だ。
この日主導権を握ったのはズベレフの方だった。序盤から鋭角なバックハンドのクロスとフォアハンドのストレートを軸に攻勢に出たズベレフは、強打からのネットプレーも織り交ぜながら試合を優位に進めていく。接戦の末に第1セットを先取すると、第2セットでも2度のブレークに成功し、大会初の決勝進出に王手を懸けた。
だがズベレフを待っていたのは予想外の結末だった。第3、4セットは粘りのプレーを見せるメドベージェフからなかなかブレークのチャンスをつかめず、結局タイブレークを連続で落として2セットオールに持ち込まれる。
そして勝負のファイナルセットでは序盤機能していたフォアのストレートが不調に陥り、ストローク戦でミスを連発。計21本のエラーを記録するなど精彩を欠いたズベレフは第5、9ゲームでブレークを喫し、4時間18分の大激戦の末に準決勝敗退となった。
勝利目前からの大逆転負けにはショックを隠し切れなかった。試合後の会見では母国ドイツを優勝に導いた年明けの「ユナイテッド・カップ」(男女混合の国別対抗戦)から好調が続いていたことを踏まえ、次のように簡潔に敗戦の弁を述べた。
「オーストラリアに来てからは高いレベルでプレーできていたから、この結果は非常に残念だ。何と言えばいいのかわからない」
続いてズベレフはアルカラス戦終了後から体調が良くなかったと明かし、次第にプレーの質を保てなくなったことが敗因だと語った。
「僕は第2セットの終わりにエネルギーを失い始め、それ以降もフレッシュな感覚ではなかった。アルカラス戦が終わった後から気分が悪くなり、熱も出てしまった。今日の試合も巻き返したかったけど、それができなかった。
最初の2セットと同じプレーができなくなったんだ。体力的に100パーセントではない時にダニールに対抗するのは不可能だ。(どちらかと言えば)テニスの面ではなく、体調が原因で負けてしまった。それが非常に残念だ」
それでも最後には「良いプレーができたことは誇りに思うし、自分に足りない部分があることを受け入れる必要がある」と前を向いたズベレフ。またしても四大大会初優勝はお預けとなってしまったが、悪夢の大ケガを乗り越えて心身ともに強くなった彼ならきっとすぐに立ち直ってくれるはずだ。
文●中村光佑
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