海外テニス

世界4位シナーが全豪OPで四大大会初優勝!メドベージェフに2セットダウンから大逆転勝利「本当にハッピースラムだと思う」<SMASH>

中村光佑

2024.01.29

全豪OPで四大大会初制覇を果たしたシナー。イタリア人男子選手のグランドスラム優勝は、1976年の全仏OPを制したパナッタ氏以来約48年ぶりの快挙となった。(C)Getty Images

 シーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」は大会最終日の現地1月28日に男子シングルス決勝を実施。第4シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク4位)が第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/同3位)を3-6、3-6、6-4、6-4、6-3の大逆転で下し、悲願の四大大会初優勝を飾った。

 2日前の準決勝では18年大会の4回戦以来全豪では負けなしだった世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)から殊勲の勝利をつかみ取った22歳のシナー。今大会はジョコビッチ戦以外全てストレートで勝利し、23年シーズン後半からの好調を維持したまま素晴らしい勝ち上がりを見せてきた。

 決勝で顔を合わせたメドベージェフには過去3勝6敗と負け越しているものの、直近では3連勝中と苦手を克服しつつある相手だ。それだけに俄然シナーの四大大会初制覇への期待は高まっていた。
 
 ところが試合は予想外の展開となる。立ち上がりのシナーは、メドベージェフがバックハンド側にボールを集めてきたことで自分の形を作れず悪戦苦闘。

 さらには相手の正確なコート中央への配球により得意のフォアハンドのアングルショットも封じられ、ストローク戦ではミスが多発してしまう。第3ゲームで先にブレークを献上すると、以降もメドベージェフを崩せず。最終第9ゲームでもサービスダウンを喫し、36分で第1セットを落とした。

 第2セットに入ってもシナーは反撃の糸口をつかめない。フォア、バック共にストレートを封じられたことに加え、メドベージェフの正確なリターンにも苦戦。

 10分以上にも及んだ第2ゲームをキープするなど粘りを見せたシナーだったが、第4、6ゲームではそれぞれストローク戦で再び後手に回ってしまい痛恨のブレークを許してしまう。第7ゲームでは意地を見せて1つブレークを返すも、メドベージェフの2度目のサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームはブレークバックできず、早くも2セットダウンに追い込まれる。
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シナーが驚異の巻き返しを見せる