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全豪OPでグランドスラム初優勝のシナーをケーヒル氏らコーチ陣が称賛!「より大きな自信を持てるだろう」<SMASH>

中村光佑

2024.01.30

2022年6月からコーチを務めるケーヒル氏(右)ら陣営が、全豪のタイトルを獲得したシナー(左)を称賛した。(C)Getty Images

 シーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」は大会最終日の現地1月28日に男子シングルス決勝が行なわれ、第4シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク4位)が第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/同3位)に3-6、3-6、6-4、6-4、6-3のフルセットで勝利。悲願の四大大会初優勝を成し遂げた。

 華麗なる大逆転劇だった。決勝でのシナーは最初の2セットをいいところなく落とし、早くも絶体絶命のピンチに。それでも徐々に本来のプレーを取り戻して第3セットを奪取すると、第4セットでは次第に疲労の色が見え始めたメドベージェフを攻め立てて2セットオールに持ち込む。勝負のファイナルセットでも勢いそのままに攻撃的なテニスを展開し、第6ゲームで奪った1ブレークのリードを守り切って勝利を収めた。

 2022年2月からシナーのコーチを務めるシモーネ・バニョッツィ氏(イタリア)は、今回の優勝が22歳の若武者にとって大きな意味を持つものだと強調する。そう考える理由について、決勝戦後の記者会見に出席した同氏は次のように説明した。

「彼(シナー)は本当に重要な結果を手にした。というのも今大会の彼は今日のような長い試合や難しい状況を経験していなかったからだ。(苦戦を強いられた)決勝で勝てたことが彼に大きな自信を与え、次戦へのモチベーションにもなると思う。なんたって、2セットダウンから逆転勝ちしたわけだからね」
 
 22年6月からコーチとしてシナーを指導する名将ダレン・ケーヒル氏(オーストラリア)も、敗戦濃厚と予想されたところから驚異の巻き返しを見せて新たなマイルストーンを築き上げた愛弟子を手放しに称賛。シナーのここ最近の成長スピードを見るに四大大会での初戴冠は時間の問題だと思っていたと語り、最後にはイタリアテニス界のサラブレッドへ向けて期待の言葉を送った。

「我々は、ヤニックが今発揮しているような高いレベルに到達し、グランドスラム(四大大会)のタイトルを獲得できると確信していた。昨シーズンは彼にとって本当に重要な年で、終盤にはメドベージェフとアルカラス(スペイン/2位)に勝つこともできた。特にトロントで初めてのマスターズ1000タイトルを獲得したことは、全てが段階的に達成できたという意味があったから、重要性も非常に大きかった」

「(四大大会を優勝したことで)これから彼は、より大きな自信を持ってコートに立てるようになるだろう。我々はヤニックを信じている。これまでもずっと信じてきた。特別な息子のようなものだ。

 彼のようなショットを打ちながらプレーを改善し、動くことができれば、その選手はいつか成功を収めるだろう。コーチとしての我々の仕事は、そのような彼の能力を可能な限り早く引き上げることだ」

 最高峰の舞台で最高のプレーを見せて頂点に立ったシナー。近い将来での四大大会2勝目も期待せずにはいられない。

文●中村光佑

【動画】「全豪オープン」決勝!シナー対メドベージェフのハイライト

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