海外テニス

「やはり上のレベルに挑んでいきたい」日本女子のエース日比野菜緒が示す世界での戦い方と後進たちへの教示<SMASH>

内田暁

2024.02.18

WTA1000のカタール・オープンに出場した日比野菜緒は、予選を勝ち上がって本戦入り。「WTA125に出ている選手たちと全然テニスが違う」とレベルの差を語った。(C)Getty Images

「やっぱりここ来てみたら、全然テニスが違うんですね、WTA125に出ている選手たちと。上に行くんだったら、やっぱりここの選手たちに勝っていかないといけないって」

 にじみ出る思いを言葉に置き換えるかのように、日比野菜緒がそう言ったのは、先日閉幕したカタール・オープンでのことだった。

 四大大会の全豪オープン後の日比野は、WTA250のタイ・オープンに続き、WTA125のムンバイオープンに出場。その翌週は、WTA1000のカタール・オープンに予選から挑んだ。

 現在の日比野のシングルスランキングは、93位。WTA250カテゴリーなら高確率で本戦から出られるが、それより上のレベルだと、予選からになる可能性が高い。ツアーの予選から挑戦するか、それともチャレンジャー(WTA125)やさらに下部ツアーであるITF大会に出るかは、判断が難しい立ち位置である。

 この1カ月の間に、3つの異なるカテゴリーを経験した日比野は、タイでは初戦を突破し2回戦敗退。インドでは、試合前日に食あたりに見舞われる不運もあり、初戦で惜敗。「こんなことなら、アブダビ(WTA500)の予選に行けば良かったな」と、思わず苦い笑みをこぼした。
 
 小さな悔いも抱えながら挑んだカタールでは、予選の初戦で、本玉真唯と対戦。昨年9月の東レパンパシフィックオープンで負けていただけに、「一番、当たりたくない相手だった」と打ち明ける。

 その試合に快勝した日比野は、2回戦では68位のティメア・バボスに競り勝った。本戦初戦では32位のマグダ・リネッテに敗れるも、「自分が上回っている点も多い」と感じたという。

「トップ10となってくるとまたレベルが一つ違うけれど、トップ50なら、全体を見渡しても私が劣っていると感じることもない。結果として(リネッテに)負けたけれど、トップ50になら自分も行けるのではと感じました」

 グランドスラムに次ぐハイカテゴリーの大会に出て、改めて得た手応え。それら一連の経験も踏まえ、「やはり、上のレベルに挑んでいきたい」と日比野は明言した。

「次はドバイに行き、その後もインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)と、マイアミ・オープンに予選から行きます。その後は、安藤証券オープンと岐阜のITF10万ドルに行こうかという思いもあったんです。でも今回ここ(カタール)に来てみて、そっちじゃないなって。トップ70を目指すなら、ITFに行っても良いかもしれない。でもトップ50より上を目指すんだったら、マドリードとローマ(いずれもWTA1000 )に、予選からでもチャレンジしていくべきかなと感じています」
 
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