海外テニス

チチパスがハリケーン被害のアカプルコを支援!「今週サービスエースを打つたびに1,000ドル寄付するよ」<SMASH>

中村光佑

2024.02.28

サービスエース1本につき1,000ドルをアカプルコに寄付すると表明したチチパス。1回戦では5本のエースを記録した。(C)Getty Images

 現在行なわれている男子テニスツアー「アビエルト・メキシコ・テルセル・HSBC」(2月26日~3月2日/ハードコート/ATP500)に第5シードで参戦している元世界ランク3位のステファノス・チチパス(ギリシャ/現12位)が、ハリケーンの甚大な被害を受けた同大会の開催地アカプルコにサービスエース1本につき1,000ドル(約15万円)の寄付を行なう意向を表明した。

 昨年10月にメキシコ国内で発生したハリケーン「オーティス」は、アカプルコにも広範囲にわたる被害をもたらした。『ロイター通信』によると52人が死亡し、市内のほぼ全てのリゾートホテルが被災。11月のスペインの日刊紙『El País』の報道に基づくと、全体の被害額は2,200万ドル(約33億1,300万円)程度に上ると推定されている。

 無論アカプルコ大会の開催も開幕直前まで危ぶまれていた。メキシコの新聞『Milenio』によれば、35の企業が携わった会場の修復には2億ペソ(約17億6,300万円)以上もの費用を要したという。それでも連邦政府や地方自治体が総力を挙げ、「1人もキャンセルする選手もいなかった」ことで無事開催にこぎつけたと、トーナメントディレクターのジェフリー・フェルナンデス氏は話していた。
 

 だが海外メディア『UBITENNIS』によると、ハリケーン発生以降25,000人程度の警備隊員が派遣されているというアカプルコでは、犯罪も多数発生しているとのこと。同メディアは先日メキシコテニス連盟がアカプルコ大会に出場する選手たちに対し、「犯罪の脅威やインフラの貧弱さ」を理由に会場の外に出ないよう求める勧告を出したと報じていた。

 そうした中で被災地の支援に名乗り出たのが、2021年にアカプルコ準優勝を経験したチチパスだ。ウクライナに10,000ドル(約150万円)を寄付するなど、かねてからチャリティー活動に積極的に取り組んでいる25歳の若武者は、大会開幕前に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューで次のように発表した。

「今週のアカプルコでサービスエースを打つたびに1,000ドルを寄付するよ。寄付金は2024年中にアカプルコの支援プログラムに送られる予定だ」

 なお現地2月27日に行なわれた1回戦でチチパスはロマン・サフィウリン(ロシア/39位)と対戦し、6-3、6-4のストレートで勝利。チチパスが奪ったサービスエースは5本だったので、現時点で5,000ドル(約75万円)積み立てられた計算だ。2回戦では21歳のフラビオ・コボッリ(イタリア/同69位)と対戦。少しでも多く寄付すべく、チチパスにはぜひとも優勝を目指して勝ち上がってほしい。

文●中村光佑

【動画】チチパスと共にアカプルコへの寄付を呼び掛けるATPツアーのX画面

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