男子テニス元世界ランク1位で現在は20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現2位)のコーチを務めるホアン・カルロス・フェレーロ氏(スペイン/44歳)が、母国の大手メディア『MARCA』のインタビューに登場。その中でアルカラスの改善すべき点の1つに「ブレークポイントでのプレーの選択」を挙げつつ、「彼自身のスタイルを失ってはいけない」との考えを口にした。
今年でプロ6年目を迎えたアルカラスはキャリア通算で計1912回のブレークポイントのうち760回以上、パーセンテージにして41%のブレーク成功率をマークしている。試合数やブレークチャンスの回数の違いはあれど同年代のヤニック・シナー(イタリア/3位/22歳)が43%、ホルガー・ルネ(デンマーク/7位/20歳)が40%であることを踏まえれば、アルカラスが著しくチャンスに弱いというわけではない。
それにも関わらずフェレーロ氏は昨年7月のウインブルドンで四大大会2勝目を飾って以降ツアー優勝が1度もないアルカラスへ向け、「ブレークポイントが来た時により良い判断をする必要があるかもしれない。その時のショットをより良い形でコントロールする方法を学んでいかなければならないと思う」と期待を込めながら私見を述べる。
だが、一方で同氏はブレーク取得率を意識しすぎることが本来の自分を見失う原因になってしまう可能性もあるとも主張しており、普段から愛弟子に対して「全てのブレークポイントをものにできるようになりなさい、なんてことは言わない」という。そしてずっとそばで見守ってきたアルカラスへの思いやりも大切にしているからこその考えをこう明かした。
「彼にも"自分らしさ"がなければならないし、彼の本来の性格やアイデンティティを失うことがあってはならない。他の選手よりも多くのブレークポイントが必要で、最終的にそれら取り切ったとしてもそんなのはあくまでも一時的なものであり、私も彼もそれを過度に重要視していない」
すでにツアーでは12度の優勝を誇るなど驚異的な活躍を見せてきたアルカラスだが、つい忘れがちなのが、彼はまだ20歳であることだ。若くして大舞台での経験も豊富なアルカラスなら、紆余曲折も経ながらさらなる成長を遂げていくことだろう。また近いうちに以前の強さが戻ってくると信じたい。
文●中村光佑
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それにも関わらずフェレーロ氏は昨年7月のウインブルドンで四大大会2勝目を飾って以降ツアー優勝が1度もないアルカラスへ向け、「ブレークポイントが来た時により良い判断をする必要があるかもしれない。その時のショットをより良い形でコントロールする方法を学んでいかなければならないと思う」と期待を込めながら私見を述べる。
だが、一方で同氏はブレーク取得率を意識しすぎることが本来の自分を見失う原因になってしまう可能性もあるとも主張しており、普段から愛弟子に対して「全てのブレークポイントをものにできるようになりなさい、なんてことは言わない」という。そしてずっとそばで見守ってきたアルカラスへの思いやりも大切にしているからこその考えをこう明かした。
「彼にも"自分らしさ"がなければならないし、彼の本来の性格やアイデンティティを失うことがあってはならない。他の選手よりも多くのブレークポイントが必要で、最終的にそれら取り切ったとしてもそんなのはあくまでも一時的なものであり、私も彼もそれを過度に重要視していない」
すでにツアーでは12度の優勝を誇るなど驚異的な活躍を見せてきたアルカラスだが、つい忘れがちなのが、彼はまだ20歳であることだ。若くして大舞台での経験も豊富なアルカラスなら、紆余曲折も経ながらさらなる成長を遂げていくことだろう。また近いうちに以前の強さが戻ってくると信じたい。
文●中村光佑
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