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女子テニスのバドサ、元恋人を亡くしたサバレンカとの親友対決に敗れるも「彼女にはベストを尽くしてほしい」とエール<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.03.23

悲しみをこらえて戦った親友のサバレンカ(右)に対してバドサ(左)は試合後に励ましの言葉をかけた。(C)Getty Images

 現在開催中の「マイアミ・オープン」(3月19日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)に出場しているアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/世界ランク2位)が、2回戦でパウラ・バドサ(スペイン/同80位)に6-4、6-3で勝利した。自身の困難な状況にもかかわらず、集中して素晴らしいパフォーマンスを見せた。

 全豪オープン覇者のサバレンカは、42歳の元恋人コンスタンティン・コルツォフ氏(ベラルーシ)が18日月曜日に亡くなったことを受け、代理人発表の声明で「考えられない悲劇。心が張り裂けるようです」と述べていた。かつてNHL(ナショナルホッケーリーグ)でもプレーしたコルツォフ氏とサバレンカは、2021年に交際を公表して以来スポーツ界で広く知られたカップルだった。2人の交際はすでに終了していたと明かされているが、サバレンカが受けたショックは計り知れない。

 第2シードの彼女はそれでも今大会への出場を決断し、火曜日には練習コートに姿を見せた。シードのため1回戦は免除、さらに主催者側の配慮で2回戦は金曜日に設定されていた。対戦相手は奇しくも、親友としても知られるバドサである。

 背中のケガからの復調を目指す元世界2位のバドサは、1回戦で元女王のシモナ・ハレップ(ルーマニア)を逆転で下して2回戦に進出。サバレンカとの対戦を前に、2人で長く話をしたことを明かし、「彼女がどういう状態かはわかっている。彼女は親友だし、苦しんでほしくない。とてもつらい状況。彼女との試合はやりづらさもある。いい試合になることを願っている」と複雑な心境を語っていた。
 
 そして迎えた2回戦。2人の試合は雨のため遅延したものの、黒いウェアを着用した親友同士は予定通りに対戦。黒いキャップを深く被ったサバレンカは、序盤こそセカンドサービスに苦しんだが、徐々に調子を上げて1度もブレークされることなく1時間22分で決着をつけた。

 難しい状況での試合を終えた両者は、ネット越しに抱き合って互いの健闘を称えた。 試合後、バドサは親友の見事な戦いぶりについてこう語っている。

「彼女はとてもとても強い女性で、パーソナリティも強い。コート上でもそれがわかるし、彼女のことはコート外でも知っているからまったく驚かない。彼女はとてもいいプレーをすると思うし、いつも通りのプレーをすると思う。彼女には、ベストを尽くしてほしいし、今大会でどこまで勝ち上がるか楽しみだと伝えたわ」

 なお、サバレンカは3回戦でウクライナのアンヘリナ・カリニナ(同36位)との対戦が決まっている。

構成●スマッシュ編集部

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