現在開催中の男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月20日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)は現地24日にシングルス3回戦を実施。近い将来での現役引退を示唆している元世界1位のアンディ・マリー(イギリス/現62位)は23歳のトマス・マハーチ(チェコ/同60位)に7-5、5-7、6-7(5)の逆転で敗れ、ベスト16進出を逃した。
マリーにとっては2009年と13年に優勝を飾っている大会。オフシーズンにはマイアミで練習することも多く、「自分のキャリアでも特別な場所」と思い入れも強い。そして36歳で迎えた今年の大会には、特別な感情で臨んでいた。というのも彼はひと月ほど前に「この夏が終わったらあまりプレーするつもりはない」と引退について語っていたからだ。すなわち現状ではマリーのプレーをマイアミで見られるのはこれが最後ということになる。
ノーシードのマリーは初戦で元世界6位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア/現142位)を逆転で下すと、2回戦では1月の全豪オープン初戦で敗れていたトマス・マルティン・エチェベリ(アルゼンチン/30位)へのリベンジに成功。昨年8月のカナダ・マスターズ(ATP1000)以来、実に14大会ぶりとなるツアー3回戦へ進んだ。
マハーチとの試合は両者一歩も譲らない激しい展開となる。そんな中で安定したプレーを続けたマリーは終盤の第10ゲームから3ゲームを連取して7-5で第1セットを先取。第2セットは反対に5-7で失ったが、ファイナルセットでは左足首を痛めるアクシデントに見舞われながらも、2-5から驚異の巻き返しを見せてタイブレークに持ち込む。
流れに乗るマリーは2度のミニブレークで5-3とリード。しかしあと2ポイントが遠かった。バックハンドのダウンザラインを起点に攻めてくるマハーチに対抗できず、4連続失点で勝負あり。3時間28分の大激闘の末に力尽きた。
思い出の地での戦いを終えたマリーは「かなりポジティブな終わり方だった」と満足気に今大会を総括。とはいえやはり名残惜しさはあるようだ。
「ここが大好きだから悲しい。もっと長く残っていたかった。特にこの大会は僕にとって重要だから、今日コートを去る時は他の大会よりも少し感傷的になった」
一方でもうやり切ったという気持ちもあると語る。「今は終わりの時を楽しみにしている。あと数カ月間は最善を尽くし、その後は家族と一緒に家で過ごせることを楽しみにしている」と続けた。
ところが、マハーチ戦で負った足首のケガは思いのほか深刻だった。試合後には自身のSNSで「昨日マイアミでの試合終了間際にATFL(前距腓靭帯)の完全断裂とCFL(踵腓靭帯)の部分断裂が判明した。帰国後に足首の専門医に診てもらい、次のステップを決めるつもりだ。言うまでもないが、これは大変なことで、長期離脱することになるだろう」と報告した。
果たして、最後の花道と目されているウインブルドンやパリ五輪への出場は叶うのか? マリー自身は「でも時期が来れば、股関節1つと足首の靭帯がない状態でも戻ってくるよ」と意欲的に綴っているが、今後の動向から目が離せない。
文●中村光佑
【動画&画像】マリーが負傷した「マイアミOP」ラストマッチのハイライトと、ケガの状態を報告した自身のSNS画面
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』
【関連記事】引退示唆の男子テニス元王者マリーの最終目標はパリ五輪か?「この夏が終わったらあまりプレーするつもりはない」<SMASH>
マリーにとっては2009年と13年に優勝を飾っている大会。オフシーズンにはマイアミで練習することも多く、「自分のキャリアでも特別な場所」と思い入れも強い。そして36歳で迎えた今年の大会には、特別な感情で臨んでいた。というのも彼はひと月ほど前に「この夏が終わったらあまりプレーするつもりはない」と引退について語っていたからだ。すなわち現状ではマリーのプレーをマイアミで見られるのはこれが最後ということになる。
ノーシードのマリーは初戦で元世界6位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア/現142位)を逆転で下すと、2回戦では1月の全豪オープン初戦で敗れていたトマス・マルティン・エチェベリ(アルゼンチン/30位)へのリベンジに成功。昨年8月のカナダ・マスターズ(ATP1000)以来、実に14大会ぶりとなるツアー3回戦へ進んだ。
マハーチとの試合は両者一歩も譲らない激しい展開となる。そんな中で安定したプレーを続けたマリーは終盤の第10ゲームから3ゲームを連取して7-5で第1セットを先取。第2セットは反対に5-7で失ったが、ファイナルセットでは左足首を痛めるアクシデントに見舞われながらも、2-5から驚異の巻き返しを見せてタイブレークに持ち込む。
流れに乗るマリーは2度のミニブレークで5-3とリード。しかしあと2ポイントが遠かった。バックハンドのダウンザラインを起点に攻めてくるマハーチに対抗できず、4連続失点で勝負あり。3時間28分の大激闘の末に力尽きた。
思い出の地での戦いを終えたマリーは「かなりポジティブな終わり方だった」と満足気に今大会を総括。とはいえやはり名残惜しさはあるようだ。
「ここが大好きだから悲しい。もっと長く残っていたかった。特にこの大会は僕にとって重要だから、今日コートを去る時は他の大会よりも少し感傷的になった」
一方でもうやり切ったという気持ちもあると語る。「今は終わりの時を楽しみにしている。あと数カ月間は最善を尽くし、その後は家族と一緒に家で過ごせることを楽しみにしている」と続けた。
ところが、マハーチ戦で負った足首のケガは思いのほか深刻だった。試合後には自身のSNSで「昨日マイアミでの試合終了間際にATFL(前距腓靭帯)の完全断裂とCFL(踵腓靭帯)の部分断裂が判明した。帰国後に足首の専門医に診てもらい、次のステップを決めるつもりだ。言うまでもないが、これは大変なことで、長期離脱することになるだろう」と報告した。
果たして、最後の花道と目されているウインブルドンやパリ五輪への出場は叶うのか? マリー自身は「でも時期が来れば、股関節1つと足首の靭帯がない状態でも戻ってくるよ」と意欲的に綴っているが、今後の動向から目が離せない。
文●中村光佑
【動画&画像】マリーが負傷した「マイアミOP」ラストマッチのハイライトと、ケガの状態を報告した自身のSNS画面
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