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吉冨愛子が伝授!「鋭く落ちるトップスピンロブ」のポイントとは?【実践スピン講座3】<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.04.06

手首を脱力し深くラケットダウン。ヘッドが下を向くほど下がっている点に注目(3コマ目)。そこからラケットを振り上げ、少し上向きの面でボールの下に入れ(5)、急角度でこすり上げる(6~7)。写真:THE DIGEST写真部

 テニスのラリーにおいて、トップスピンは高く跳ねさせて相手を押し込んだり、厚く叩いてエースを取ったり、様々な用途に使えるショットだ。このシリーズではフォアハンドを想定し、実戦で特に役立つ5種類のトップスピンについて、日本女子有数のトップスピナーとして鳴らした吉冨愛子プロに打ち方を伝授してもらう。第3回は「鋭く落ちるトップスピンロブ」のポイントだ。

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 相手がネットにいる時、より多く順回転をかけて高い軌道で打ち出し、頭上を抜くのがトップスピンロブです。第1回で紹介した「深くて跳ねるトップスピン」よりも、ラケットを下から上に振り上げる角度が急になります。

 次にトップスピンロブで大切なのは、相手に悟られないことです。ボールを呼び込んで少しタメを作ると、ネットにいる相手が1歩前に詰めてくるので逆を突けます。振り出す直前に一拍タメを入れて、相手が反応するタイミングをずらしましょう。
 
 また、準備段階までは深く打つトップスピンとほぼ同じ体勢を取ること。腕全体ではなくヒジから先でラケットダウンし、一瞬でいいから軸足に乗って、通常のトップスピンも打てる形を作ります。ただし相手を欺くために、身体の後傾はなるべく抑えることが重要です。

 そしてトップスピンロブと深いスピンとの最大の違いは、振り出す直前にリストをより緩めて、ラケットダウンを少し深くすることです。そうすると、やや上向きにした面をボールの下に入れやすくなります。そこからボールを押すのではなく、面の上で転がすイメージで一気に振り上げると、鋭いトップスピンロブになります。

 最後に狙い方のコツとして、ロブの頂点をネットよりも向こう側に設定してください。相手の頭上を越えてコート深くに落ちるロブになります。頂点がネットの手前だと浅くなるので要注意です。

【解説者プロフィール】吉冨愛子/よしとみあいこ
1993年、愛知県生まれ。インターハイ、インカレを制し、早稲田大学卒業後にプロ転向。女子選手離れした強烈なトップスピンとコートを広く使った展開力を武器に、全日本選手権ベスト8など活躍。ダブルスも得意にし、ユニバーシアード日本代表として銅メダル獲得、ITFツアー優勝8回などの実績を残す。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年8月号より再編集

【連続写真】吉冨愛子プロによる「鋭く落ちるトップスピンロブ」、30コマのお手本分解写真

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