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【テニスルール虎の巻】サービスを打ったらボールがネットに当たり、シングルス・スティックが倒れてしまった!こんな時はどうする<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.05.25

サービスの際にネットを支えているシングルス・スティックが倒れてしまったら、どのようなルールが適用されるのか…。(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「シングルス・スティックが倒れた場合」についてです。ファーストサービスを打ったら、ボールがネットに当たり、シングルス・スティックが倒れてしまいました。このような場合はどうなるのでしょうか…。

   ◆    ◆    ◆

 ファーストサービスを打ったら、ボールがネットに当たった衝撃でシングルス・スティックが倒れてしまった…。このようなケースでは、まずスティックを正しい状態に戻してから、サービスを打ち直さなければなりません。

 ただし、スティックを直すのに時間がかかってしまった場合は、改めてファーストサービスからのやり直しとなります。

 ファーストサービスがネットに当たりスティックが倒れ、ボールはアウトしたとします。この場合はサービス・フォールトです。

 倒れたスティックを立て直すのに時間がかかり、ファーストサービスからセカンドサービスへスムーズに移行できない場合は、サーバーのタイミングが乱されたことを理由にポイントのやり直しとなります。なぜなら「ファーストサービスとセカンドサービスは継続的に打たなければいけない」というルールがあるからです。
 
 シングルス・スティックの立て直すのには以外と時間がかかります。正式にはスティックを立てる位置も決まっているので計測する必要もあります。そして定位置に立てたとしても今度はセンターの高さに狂いが生じていないか、こちらもメジャーで計測しなければならず、その所要時間がサーバーのプレーを乱したということになるのです。

 なお、セカンドサービスも同様です。セカンドを打つ前に強風などによってシングルス・スティックが倒れた場合、スティックを正しく直すために時間がかかれば、それがサーバーへの妨害となるためファーストからのやり直しとなります。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2023年12月号より抜粋・再編集

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