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海外テニス

かつてプロ選手を目指していた“テニス漫画家”が全仏オープン初観戦!憧れの地で手にしたのは「特別な経験」<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.06.13

テニス漫画『BREAK BACK』(ブレークバック)の著者KASA(カサ)氏が独自の視点で全仏オープンをリポートした(写真左は同氏とナダル像/右はセンターコート)。写真:kASA氏提供

テニス漫画『BREAK BACK』(ブレークバック)の著者KASA(カサ)氏が独自の視点で全仏オープンをリポートした(写真左は同氏とナダル像/右はセンターコート)。写真:kASA氏提供

 2週間にわたり赤土のコートで熱戦を繰り広げたテニス四大大会の一つ「全仏オープン」(フランス・パリ)は、女子シングルスでイガ・シフィオンテク(ポーランド)が3連覇を達成し、男子シングルスではカルロス・アルカラス(スペイン)が初優勝を飾った。

 例年以上に多くのテニスファンで賑わったという今年の全仏オープンだが、その中には日本のテニス漫画『BREAK BACK』(ブレークバック)の著者であるKASA(カサ)氏の姿もあった。

 漫画家になる前はプロテニス選手を目指していたという異色の過去を持つKASA氏にとって、全仏オープンは一番好きな大会だという。その憧れの舞台を初めて訪れた同氏が、テニス雑誌『スマッシュ』にリポートを寄稿してくれた。果たして元選手で現在は漫画家として活躍するKASA氏にとって、ローランギャロス(全仏会場名)はどのように映ったのか…。

   ◆   ◆   ◆

 私は「KASA(カサ)」というペンネームで活動している漫画家です。テニス漫画『BREAK BACK』という作品を連載し、今年で連載7年目に突入しました。私はもともとプロテニス選手を目指していましたが、挫折し漫画家になりました。

 今回、そういう私のキャリアもあって、幸運なことにフランステニス連盟(FFT)が主催する全仏オープン(ローランギャロス)の招待を受けました。ローランギャロスの大会日程はちょうど原稿執筆期間と重なり、担当編集者からの締め切り圧力もありましたが、情熱という名の“駄々“をこねにこねて、初めての四大大会の観戦に行くことになりました。
 
 とにかく私にとってのローランギャロスは憧れの場所であり、最も好きな大会です。ローランギャロスのコートサーフェスは、レッドクレーと言われる赤土。他のサーフェスと比べて球足は遅く、ボールが跳ねるので必然的にタフなストローク戦になりやすい。

 ストローカーだった私にとっては、その打ち合い、駆け引きが観ていてとにかく面白い。そして、何より私の大好きなテニスプレーヤー、ギレルモ・コリア(アルゼンチン/元世界3位/2009年引退)が得意としていたサーフェスでもありました。

 コリアは2004年の全仏決勝で、優勝まであと一歩のところまで行ったのですが、まさかのケイレン。マッチポイントもありましたが逆転負けを喫しました。もし過去に戻り1試合だけ観戦できるとしたら、私は迷わずこの04年の全仏オープン決勝を選びます。それくらい最も記憶に残る試合でした

 ちなみに私はこのコリアが好き過ぎて、彼の故郷であるアルゼンチンにアポを取らず押しかけ、1カ月間、彼のアカデミーで練習をさせてもらった経験があります。そこでコリア本人から直接指導を受けました。その時のアルゼンチンでのあだ名が、「KASA」(カサ)でした。
 
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