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海外テニス

フェデラーの元コーチがジョコビッチを心配「五輪へのやる気はあるのだろうが、その後はどうするだろう?」<SMASH>

中村光佑

2024.07.19

かつての輝きを失いかけているジョコビッチ(左)について元フェデラーのコーチであるリュビチッチ氏(右)が心配している。(C)Getty Images

かつての輝きを失いかけているジョコビッチ(左)について元フェデラーのコーチであるリュビチッチ氏(右)が心配している。(C)Getty Images

 先日行なわれた今季3つ目のテニス四大大会「ウインブルドン」の男子シングルスで2年連続の準優勝に終わった世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。そんな彼が今後どのようにモチベーションを見出すのかについて、ロジャー・フェデラー氏(スイス/元1位)の元コーチであるイワン・リュビチッチ氏(クロアチア)が少々心配しているようだ。

 芝シーズンに入る直前に痛めていた右ヒザの手術を決行したジョコビッチはそこから驚異の回復力を見せ、出場が難しいと思われていたウインブルドンで無事実戦に復帰。ケガの影響を感じさせない素晴らしいプレーを見せて決勝へと進出した。

 しかし最後は前回覇者のカルロス・アルカラス(スペイン/現3位)に2-6、2-6、6-7(4)のストレートで屈し、同大会最多タイ8度目の優勝並びに四大大会25度目の優勝は叶わず。昨年の決勝では4時間42分に及ぶ大激戦の末にアルカラスに敗れていたジョコビッチだったが、1年越しに実現したリマッチではそのおよそ半分の2時間27分で決着をつけられた。

 手術後間もない右ヒザの状態を考慮しても無類の強さを誇ってきたジョコビッチが、ここまで圧倒されるとは思っていなかった人も多いはずだ。それを踏まえつつ、先日スロベニアのスポーツメディア『Sportklub』のインタビューに応じたリュビチッチ氏は「もう完全な世代交代もそう遠くはない」とコメント。

 その後リュビチッチ氏は、先のウインブルドン決勝後にジョコビッチを指導した経験を持つ元世界1位のボリス・ベッカー氏(ドイツ)から伝えられた言葉をこう明かした。
 
「彼(ベッカー氏)は最近『ジョコビッチはアルカラスの優位性を事実上受け入れているようだ』と話していた。『それはこれまで彼(ジョコビッチ)がナダル(スペイン/元1位)やフェデラーに対しても決してしてこなかったことだ』ってね」

 ただリュビチッチ氏はどちらかと言えば、初の金メダル獲得を狙うパリ五輪出場後にジョコビッチがどうモチベーションを保っていくかという点の方が気掛かりだという。やはりジョコビッチの活力源は、22年に現役を退いたフェデラー氏と今季限りでの引退を示唆しているナダルの存在だったと強調する。

「彼は五輪へのやる気はあるのだろうが、その後はどうするだろう?フェデラーとナダルがいない状況では、全てが異なる」

 スペインメディア『Punto de Break』によれば、当のジョコビッチも数カ月前に「ジョン・マッケンロー(アメリカ/元1位)が、ビヨン・ボルグ(スウェーデン/元1位)が引退したとき、『自分の一部も引退したように感じた』と語ったのを覚えている。ロジャーが引退し、ラファもあまりプレーしていない状況が、僕にもそれと似た感情を抱かせる」と語っていたという。

 とはいえすでに37歳かつ数々の功績を手中に収めているジョコビッチが、どのタイミングでプレーを辞めようが文句を言う人はそういないのではないだろうか。とにかく今は目前に迫るパリ五輪での奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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